不正侵入の防止には、
・ IPアドレスの識別によって特定のパケットだけを通過させる方法
・ Proxyサーバーを用いる方法
・ 非常に複雑な認証機構を利用した方法
など、さまざまな防御手法がとられる。Proxyサーバーとは、WWWなどのインターネットの様々なサービスヘのアクセスを中継するためのソフトウェアまたはサーバーマシンをいう。Proxyサーバーはセキュリティ機能を高めるだけでなく、キャッシュ機能による組織内LANとインターネット間のトラフィックを軽減するという効果もある。
インターネット上では通信の内容は第三者に盗み見られる可能性が常にある。通信内容の不正な改変や秘密漏洩を防ぐには、
・ ディジタル署名
・ 暗号
といった情報保護の技術をシステム内で意識して使うことが必要になる。ディジタル署名とは、情報の集まりに対して一方向関数で演算を施した結果のことである。一方向関数とは、変換した結果から元の情報を推測するのが非常に難しい関数のことをいう。暗号とは、通信の当事者にしかわからないように情報を変換する方法である。現在確立されている暗号技術には、共通鍵暗号と公開鍵暗号がある。
サービス機能として、プッシュ型情報配信機能をあげることができる。この機能を利用することにより、運航に必要な情報やデータを多数の船舶や運航者に配信することができる。例えば、時々刻々と変化する気象情報やニュース、海図情報の変更などを次々に自動的に届けたりするような利用が可能である。プッシュ型情報配信には、配信する情報の特性により、
・ メッセージ型
・ バルク型
・ ストリーム型
がある。メッセージ型はニュースや定時的な伝達データなどのメッセージを配信するサービスであり、バルク型はドキュメントやプログラムなどファイルを配信するサービスである。ストリーム型は、映像とか音声などの連続メディアを受信者側でリアルタイムに再生するテレビやラジオのような放送サービスを指向するものである。これらのサービスが陸船間で行われるならば、船舶の情報利用環境はかなり改善できるものと思われる。