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4.1.4 通信システムの提案

(1) 船内通信システム

船内の通信システムは船内LANと衛星通信から構成される。

・ 船内LAN

・ 情報系LAN

・ 制御系LAN

・ センサー系LAN

・ 衛星通信

船内LANは、情報系LAN、制御系LANおよびセンサー系LANからなる。情報系LANは音声情報、運航支援情報、電子メールなどの情報を流す。制御系LANは船体の制御情報を流す。センサー系LANはセンサー情報を流す。三つのLANはそれぞれゲートウェイを通してつながれる。類似の通信システムとして、次世代の自動車に搭載されるLANがあげられる。

 

(2) 陸上通信システム

陸上の通信システムは、図4-2に示すように、

・ 組織内ネットワーク

・ エクストラネット

・ インターネット

から構成される。組織内ネットワークは、イントラネットに相当するもので、船社や運航会社といった組織内のネットワークである。インターネットの技術を組織(企業)内の情報システムに取り入れ、情報の共有や業務支援に活用される。インターネットの利用にはWWWブラウザさえあれば良く、グループウェアの中枢となるものである。複数の組織内ネットワークは、例えば海運業を統括するエクストラネットで接続され、関連企業などとの接続がなされる。エクストラネットから衛星通信システムに接続され、船舶との情報交換が可能となる。エクストラネットとは、イントラネットがインターネット技術を使って組織(企業)内の部門間で情報の共有を目的としたシステムであるのに対し、そのイントラネットの適用成果を組織(企業)間にまで広げたものである。すなわち、インターネットの技術を企業グループの情報システムに取り入れ、グループ内での情報の共有や業務の効率化を目指したシステム形態をいう。ネットワークが企業にまたがるため、セキュリティ技術やEDI(電子データ交換)などの適用が不可欠である。

 

(3) 通信システムの必要機能

通信システムに必要な機能は、セキュリティ機能とサービス機能に分けて考えられる。セキュリティ機能として、

・ ファイアウォール

・ ディジタル署名

・ 暗号

があげられる。ファイアウォール(fire wall)は、組織内LANなどを不正侵入から保護するシステムである。組織内LANの出口に設置し、インターネットを通しての不正侵入を防止する。

 

 

 

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