移行ステップでは、本番用のデータを登録し、現システムから新システムヘ移行を行う。
評価ステップでは、当初目的を達成したか否か、システムの評価を行う。
運用ステップでは、実際の業務を行い、データの更新、障害対策などを行う。
保守ステップでは、システムの不具合の修正、システム機能の追加、変更を行う。
情報システムを構築するには、以上のフェーズを踏まえ周到な計画のもとに進めなければならない。
(2) 基本コンセプト
情報化社会においては、情報化それ自体は目的でなく、情報化を手段として、経済活動の合理化・活性化および個人生活の向上を図ることを目的としている。情報システムの目的は、個人ベースの合理化から、企業、産業界(海運界)ベースの合理化へ拡大していき、やがて戦略的目的が付加されるようになり、情報は企業(船社)にとって、重要な経営資源の一つになっていくものである。
情報化の潮流を情報システムの目的、情報の範囲、ネットワーク、ユーザインタフェース、計算機アーキテクチャの変遷として捉えると、以下のように整理できる。
─情報システムの目的
合理化→戦略→社会的インフラ
─情報の範囲
個人→業務→企業→産業界→社会生活→世界経済
─ネットワーク
スタンドアローン→LAN→WAN,VAN→グローバルネットワーク
─ユーザインタフェース
CUI(character user interface)→GUI(graphical user interface)→マルチメディア
─計算機アーキテクチャ
バッチ処理→オンライン処理→クライアント・サーバー
これからはヒューマンメタファーシステム(human metaphor systems)のように、人間性を重視したシステムの構築が重要になり、特に運用面で、情報システムの利用主体である運航者を常に中心に置いて考えていく必要がある。
このような状況において、新たな情報システムを構築する際の基本的なコンセプトとして、次の七つの項目を提案する。
1] 運航者オリエンティドなシステムである
2] 情報の完全電子化を計る
3] マルチメディア対応が可能である