14] 内航近代化船の共同開発プロジェクトの実施
[趣旨・目的]
労働基準法等の改正により、船員の労働時間を週40時間以内にすることが義務づけられたが、省力運航が可能な内航近代化船を導入すれば、船員一人当たりの必要労働時間を削減することによって、船員を増やさずに新たな法規制への対応が可能となることから、今後こうした船員の時短対応の面から、内航近代化船のニーズが高まることが予想される。
一方、中国地区、特に広島県西部・山口県東部地区は、地区内の中小造船所が内航近代化船「翔陽丸」の建造に携わった実績を持ち、造船関連で先進的な研究開発機能を有する広島大学工学部や、地区内の中小造船所と小型船の共同研究開発実績もある広島県立西部工業技術センターが地区内に立地しているなど、今後内航近代化船の研究開発を進めていく上で大きなポテンシャルを有している。しかし現時点では、荷役設備をはじめ、内航近代化船の設備・機能にも改良が必要な点が多く残されており、これらの改良を進めていくためには、関係業者・団体から幅広く技術・ノウハウを集めることが必要である。
そこで、広島県西部・山口県東部地区の中小造船所、舶用工業事業者、船舶設計事業者、内航海運業者、関係研究機関が内航近代化船の開発について共同プロジェクトを実施し、エンジニアリングを強化するとともに、内航近代化船の開発・建造を推進する。
[概要]
○ 中小造船、舶用工業をはじめ、大学、公設試験研究機関などの協力を得て、共同開発のプロジェクトチームをつくる。
○ 広島県東部地区の中小造船所、舶用工業事業者などとも連携しながら、内航近代化船の共同開発を行う。
○ 開発資金については、シップ・アンド・オーシャン財団の技術開発基金など、開発活動に対する各種助成制度を活用する。