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(1) 将来像実現の前提となる方策 ─造船能力の調整と集約化─

中国地区において、中小造船・舶用工業の将来像の実現を図るためには、まず中小造船所の現在の供給力過剰状態から脱し、危機意識と改善意欲を持った事業所をベースに、官民の協力・連携のもと、適切な供給能力に調整・集約化することが必要不可欠である。本ビジョンでは各事業所の適切な事業判断とともに、行政施策の補完を求めるものである。

1] 構造改善事業の活用等により、生産規模の適正化のための速やかな転廃業を促進する

現在、構造改善事業の一環として、生産規模の適正化を図るため、造船業基盤整備事業協会による過剰造船設備の買い取り事業が実施されているが、供給力過剰に基づく不況の波及を阻止し、地域の競争力を維持する観点から、事業継続の困難な事業所における同事業を活用した速やかな転廃業を促進する。

2] 造船業界の再編・集約を進めるため、行政によるさらなる支援方策を要請する

業界の再編・集約を強力に進め、地域ビジョンの実現を目指すため、上記の構造改善事業に加えて、事業継続の困難な事業所が転廃業しやするするための行政の支援方策を要請する。

 

(2) 中小造船・舶用工業の将来像

今後とも中国地区の中小造船・舶用工業の産業集積を維持するとともに、さらなる競争力の強化を図っていくためには、各事業所において、自助努力を積み重ねていくことが必要不可欠である。造船能力の調整と集約化の進展により、危機意識と改善意欲を持った事業所の事業継続を想定した上で、中国地区の中小造船・舶用工業の将来像を以下の5つとする。

 

海運の高度化を支援し、新たな事業を創出する「企画提案型産業」

物流体系における海運及びその関連産業の相対的な位置づけ・役割の向上を支えるため、船舶の建造・修繕の面から、海運における物流コストの削減・低コスト化、省力化を積極的に支援し、各事業所では、自社の得意技術・分野を磨きながら、造船・舶用分野における優位性の確立を目指す。これらの取り組みにより、産業全体として、これまでの受動対応型産業から積極的な企画提案型産業へのステップアップを目指すものである。

1] 荷主・オペレーターに対する造船所の新造船に関する企画・開発力を強化する

海運に関わる荷主、オペレーター、造船所の相互の協力・連携を強化するとともに、良質な船舶の供給を通じて、これらの関連産業における造船業の位置づけ・役割を高めていくために、荷主・オペレーターに対する造船所の新造船に関する企画・開発力を強化する。

2] 造船・舶用部門におけるコスト競争力を強化する

荷主企業における物流コスト削減圧力が強まる中で、内航海運が陸上部門等に対して優位な物流コストを実現し、物流体系における位置づけを向上させていくとともに、海外の船が

 

 

 

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