[造船課題9] グローバル化・国際化
中国地区では、1万総トン未満の中小造船所の中でも比較的規模の大きい3,000総トン以上のクラスでは、近海船の建造に進出して成功している造船所も見られるが、建造能力500総トン未満の小型造船所では輸出船を建造している所はなく、ほとんどが内航船を主体としている。また、船舶の輸出以外では、グローバル化・国際化に関する取り組みはほとんど行われておらず、今後の意向も肯定的なものよりもむしろ否定的なものが多いのが現状である。しかし、内航船の船腹過剰が顕在化している中で、中小造船所が新たな対応に迫られているのは明らかであり、今後は市場の限られた国内だけでなく、海外へも積極的に目を向けていくことがますます必要となっている。一方で、経営資源の制約が大きい中小企業にとっては、国際化のハードルが依然高いのも事実であり、事業所間で協力できる部分は協力しながら、できる範囲から徐々に取り組んでいくことが望ましい。