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に財政の負担軽減が期待されているが、民間事業者の側からは、社会資本整備という新たな投資分野が生まれることによって、多様なビジネスチャンスが創出されることが期待されている。中小企業においても、取り組み次第によっては大きな可能性を秘めていると言える。

 

(注)PFI(Private Finance Initiative)とは、従来公共部門により行われていた公共サービスを民間企業の資金やノウハウを導入することにより実施しようとする事業方式であり、非効率といわれている公共事業、公共サービスの分野への民間企業の参入を促進することにより、効率化や質の向上を図ろうとするものである。

日本版PFIにおいては、これまでの“民間活力導入”から“ 民間主導”への転換を進め、さらにはできるだけ多くの事業を産業創造へと発展させていくことが求められる。

 

PFIに関する各省庁の主な動向

運輸省関連

・ 中部国際空港の整備(国際拠点空港の整備。2005年に開催される愛知万博を踏まえている)。

・ 財政投融資の適切な活用によって、高速自動車道等のインターチェンジ周辺に物流の効率化に資する施設(倉庫、一般トラックターミナル、配送センター、省力化対応倉庫、物流近代化ターミナル)の整備促進(物流基盤施設の整備)。

・ 低公害トラックの導入、トラック輸送の効率化に資する共同集配施設の整備促進、積載効率の向上を図るため官民による推進体制を整備し、環境にやさしいトラック事業を民間活力を通じて構築する(エコ・トラック推進プログラム)。

建設省

・ 平成10年5月19日、民間投資を誘導する新しい社会資本整備検討委員会が中間報告として「日本版PFIのガイドライン」をとりまとめた。

・ 平成10年6月10日、「日本版PFIの基本原則と今後の課題に関する提言」を発表。

通産省

・ 「新エネルギー・リサイクル等PFI推進協議会(地方自治体約70団体、民間企業約80社で構成)」が廃棄物発電施設を中心に、地方自治体等のニーズや欧米での事例等を調査、平成10年度中に案件発掘、構想の具体化を行う予定。

 

国におけるPFI関連の1999年度予算要求状況

民間施設との一体的整備による公共駐車場整備の推進

○ 公共駐車場と一体的に整備する民間施設への支援

公共駐車場と民間施設とを一体的に整備することにより、双方が単独で実施するよりも効率が向上するプロジェクトを対象として、一体的に整備する民間施設への資金の貸付制度を創設する。

○ 優良建築物等整備事業等の拡充

市街地環境の向上や優良な住宅の供給を促進するために、一定の条件を満たす民間等の建築に対して、必要な助成を行う。既成市街地の公共駐車場の整備の推進にも寄与するため、優良再開発型の市街地環境形成タイプ及び地区再開発事業の補助の対象に、「公共駐車場と一体的に整備するもの」を追加する。

 

PFIによる港湾関係公共施設等の整備促進のための支援制度の創設(新規制度)

○ 公共荷さばき施設等整備事業

公共コンテナターミナルや公共埠頭において、民間事業者が荷役機械、サービス施設、公共上屋等の港湾施設を整備することにより、利用効率の向上、物流コストの低減や財政負担の軽減等を図る事業に対して支援を行う。

○ 放置艇対策事業

放置艇の解消に寄与する係留・保管施設について、民間事業者による係留桟橋、ボートヤード、駐車場、管理棟等の施設の整備に対する支援とともに、公共用地・水域の手当等を行う。

 

 

 

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