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II. 舶用工業の動向

 

1. 舶用工業の概要

 

(1) 舶用工業の産業的な特徴

舶用工業では、次のような産業的な特徴が挙げられる。

1] 多様な業種構成

船舶の建造に関連する産業は、造船業と造船関連産業に大別されるが、後者の造船関連産業のうち、鋼材等の船舶用の原材料を製造する業種を除いた、エンジン・プロペラ等の推進用機器、クレーン等の荷役機器、レーダー等の航海用機器、救命ボート等の救命機器などの製造・修理を行う産業を舶用工業と呼んでいる。

1隻に使用される舶用工業製品は、大小200種類以上の機器から構成されており、これらの舶用工業製品は、統計分類上、次のように分類されている。

 

舶用工業製品の分類

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2] 造船業と連動した好不況の波

顧客である造船業が好不況の差の激しい市場構造であり、舶用機器市場も必然的にその影響を強く受ける。わが国ではとりわけ、第1次石油危機以降、新造船建造需要が伸び悩んだことにより舶用機器市場は成熟期を迎え、造船市場と同様に好不況の波を繰り返すこととなった。ただし近年の推移に見られるように、新造船建造量が増加していても船価水準が下落している状況であれば、舶用機器価格の低下によって生産額が伸びない状況も起こり得る。

 

 

 

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