3.5 スクラップ材の需要
解撤事業におけるキャッシュフロー概念は、老朽船を船主から買い取り、それをスクラップし、中古品の売却益と鉄のスクラップから再生される鉄筋の売却益を得ることになる。したがって、老朽船をいかに安く買い取るか、それをいかに安く解体するか、更に中古品や再生鉄が如何に高く売れるかということで決まる。採算性の調査はそれらの動向をきわめ、キャッシュフローが成り立つかどうかの判定をすることである。エジプトでは3.4節で述べたように解撤した伸鉄材をそのままスクラップ材で売買したのでは事業として成り立たないので、解撤した伸鉄材は丸棒として再生して売却することにする。表3.5.1はエジプトにおける鉄筋の消費量を示している。