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3.4 エジプトにおける鉄鋼業

 

解撤事業において重要な要因は、解撤船から発生するスクラップを販売するための鉄の需要があるかと云うことである。さいわい、エジプトでは2章で述べたように経済的にも安定成長に入っており、インフラ整備に必要な鉄の需要が豊富にあることが分かった。表3.4.1はエジプトにおける鉄の生産量と消費量の推移を示したものである。表が示すように確実に消費量も増加し、また鉄の輸入と輸出が着実に増加していることが分かる。

 

表3.4.1 エジプトにおける鉄の生産量と消費量の推移(千トン)

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カッコ内数字は推定値を示す

(World Steel Handbook Ver.6 IISIより引用)

 

エジプトでは解撤されたスクラップの伸鉄材は価格にかなりばらつきがみられるが一般には120ドル/トン程度で取引されている。この値段でスクラップ材を売買したのでは解撤はビジネスとして成り立たない。そこで船舶から発生するスクラップは伸鉄工場で、鉄筋に加工することが材料に付加価値をつけるということで望ましい。ただし伸鉄材から生産できるのは丸棒で径も最大13mm程度である。価格は340ドル/トンぐらいである。表3.4.2は鉄筋の生産量と消費量について実績と予想を示したものである。現在約300万トンの鋼棒が消費されており、更に増加の傾向にある。

 

表3.4.2 鋼棒の生産量と消費量(百万トン)

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さらに表3.4.3にエジプトの鉄筋の生産量を示す。

 

 

 

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