等々あり、これらを完全に結合することは至難の業である。逆に、それらのネットワークを維持した上で、中央機構としてそれらを有機的に接続するオーソリティと技術があれば良い、ともいえる。
2] 流通性書類も扱えること
従来のネットワークが処理しているのは、単なる電子データである。S.C./S.F.ネットで送受信されている「B/L情報」にしても、有価証券としてのB/L(船荷証券)ではなく、B/L記載の項目を情報として伝達しているに過ぎない。単なる情報であっても、次の作業の準備、とか、受け入れ準備に利用するならいっこうに差し支えがないが、資金決済、金融が絡むとそうはいかない。銀行がユーザンス付きで船積書類を買い取るとき、従来は船荷証券が貨物そのものを意味していたので(従ってB/Lが有価証券なのであり、貨物を「化体している」という。)書類が担保になりえた。しかし電子書類なら、いくらでもコピーされてしまうので、権利の移転を確実に管理しうる仕掛けが必要となる。
船荷証券が持つさまざまな機能を保持しつつ、電子化するには安全な通信手段の他に、権利登録・移転を行うデータベースの構築、本人が誰であるかを確認する公証・認証機能、権利移転手続の確立、関係国による法律・条約の確立または関係当事者による契約上の合意、といったものが必要となりそうである。
3] 公証・認証機能
公証・認証手続きは紙の世界でも存在していたが、電子の世界では、より頻繁に需要がある。既に、各国で研究されており、証明力が広く確認されている機関もある。これら、既存の機関を利用することも考えられる。
4] 電子署名、暗号化
第二章II.1. 技術的側面からの考察、参照。
5] 権利移転、登録のデータベース
ボレロは書類の中身には一切関知しない、といっている。すなわち、内容ではなく、その書類の権利関係だけを取り出してこれを登録し、移転し、抹消する。その手続を暗号化した電子署名により行うとする。
6] ルールブック、契約による合意
CMI(注4)による「海上運送状に関するCMI統一規則」(CMI Uniform Rules for Sea Waybill, 1983)、「電子式船荷証券のためのCMI規則」(CMI Rules for Electronic Bills of Lading, 1990)、またUNCITRAL(注5)による「EDIモ