2. 参入規制
フォワーダー業界の健全な発展のためには悪徳業者を淘汰することが必要との観点から、フォワーダー業務を規定する「外国投資国際貨物運送企業審査・認可規則」は96年に改められ、フォワーダー業参入規制の強化措置がとられらた。
96年改正以前の旧規定と改正された新規定の違いは、次のようにまとめられる。
1] 出資比率
旧規定においては出資比率の規定がなかったものの、実態をみると出資比率は50%を越えないといわれてきた。しかし、新規定により明確に外資規制がなされ、外国側出資は50%を越えない合弁・合作形式であることが明文化された。
この規定には100%外資についての規定はないが、98年1月に公布された「外商投資産業指導目録」において、貨運代理業務は投資制限業種と規定され、100%外資は設立不可能となっている。
ところが、98年9月にジュネーブにおいて行われたWTO加盟交渉において、中国側はWTO加盟後5年の間に運輸業における外資制限規制を撤廃することを表明した。したがって、中国のWTO加盟が実現した際には中国における運輸企業の進出条件は、大きく変化することが期待される。
2] 中国側パートナーの条件
旧規定においては中国側・外国側出資者は「国際貨物運送の取扱事業に関係する企業」とのみ規定されていたが、新規定においては中国側パートナーは、「少なくとも一社は国際貨運代理企業或いは年間輸出額が5000万ドル以上の外貿企業」であることが必要となり、実質的には参入要件を厳格化した。
また、中国側・外国側とも「3年以内に業界規定に違反していないこと」を要件に加え、実績面での参入規制も設けた。