日本財団 図書館


1] 運行

五定列車のダイヤと運賃の設定は、鉄道部より上位の国家機関である国務院により決定された。したがって、鉄路局等の現場のレベルでの需要に応じた編成ではなく、かなり政策的なダイヤ決定がなされたといえる。

98年10月1日時点で五定列車は76ルートあり、全国の主要都市を網羅している。76ルート中15ルートは、国際列車(天津、連雲港、広州から阿拉山口といったルート)であり、その他に港と内陸あるいは国内主要都市を結ぶルートが設定されている。

しかし、五定列車は貨物量の多いところについてはスケジュール通り走行しているが、貨物が集まらないと運行されないケースもある。現地ヒアリングにおいても港湾(上海、天津等)から内陸への貨物は比較的運行されているが、内陸→内陸あるいは内陸→港湾といったルートは貨物量の集荷が難しく、スケジュール上は存在するものの運行していないものも存在する模様である。

次のような五定列車がスケジュールとおり運行している路線である。

 

図表3-4. 運行が確認される五定列車の例(国内)

022-1.gif

 

中国において鉄道は、定められた最低限の貨物量が集荷されなければ発車することができず、五定列車の場合も例外ではない。そのために貨物量が不足している場合、運休することは当然といえる。発車に必要な数量は80TEU程度で、地域等により多少のばらつきはある模様である。また、最大重量も定まっており100TEU程度の模様である。

最大数量を定めている理由は、定時性を重視していることからスピードを確保する必要があるためであり、従来、鉄道の1日当たりの輸送距離は250km程度であったが、五定列車は500km以上を可能とした。

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION