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それで我々は海の仕事を、それから南極の仕事を3Kだと言うんですがね。辛い、汚い、こわい。アメリカでは3Dと言うんですがね。で、seismogenic zoneで3D探査をやる。あれは、暗くて、汚くて、怖い、といって彼らは笑いますが要するに、そういう所でも若い人が充分力を発揮出来るようなシステムが今無い、消えつつあるんですね。それをどうしたらいいかと言う事が我々にとって、こういう計画を推進する為に一番大事な事なんですよね。じゃあ何かアイデア有りますか、と言うと非常に困ってしまう。私、これ個人的な考えで、私の考えとしてはOD21、あるいはIODPと言う計画が出来た事を契機に、30年も昔から日本の中に総台的な固体地球科学研究所を創ったらいいという意見があったり、出たり消えたりしているもの、このチャンスを使って創って、それを国際フレームの中で動かして行くという事を徹底して追及したらいいと思うんですね。それから氷床であるとか、それから石油であるとか、それから研究であるとか、hazard mitigation(災害軽減)であるとか、そう言うグループが色んな孔を掘って、色々やってるって言う事は、我々薄々知って居たのですが、ポツダムの会議ではそう言う傾向がチャンとありました。日本の中でどうしてこんな事が最近言われる様になったかと言うと、コアを掘ってどうするのって話をした時に、コア・レポジトリーを作ってチャンと始めて行きましょう。それじゃ今、日本にどれ位コアが有るんだろうと、調べて見たんですよね。ある人に聴いて30万kmのコアが全部捨てられて居る。こんなバカな事が有りますかって話になって、それじゃあ、日本中全部集まって考えて見ようじゃないか、という所から、「ヒョウタンから駒」、スイマセン難しい英語で、アノ、考えもしなかった事から、とんでもない新しい事が出たと言う事なんですが、そんな事があってダンダン勢いがついて、皆さんで国際シンポジウムで何とか皆さんの御意見を聴いて見ようかなという事になった。その気持ちの裏には、もう一つ引っ掛かっているものがありまして、これは隠して居ると言ったほうがいいんですが、OD21の様な問題を作るためには国際的な協力が、我々がするばっかりじゃなくて、して頂かないと出来ない訳ですね。例えばコア・リポジトリー、日本にそんなものを作る必要があるのか。ドイツにあるじゃないか、アメリカにもあるじゃないか、それ使わして貰ったらどうだ。顕微鏡のいいのがあるじゃないか。そういうものは、貸して頂くなり何なり、要するにin-kind contribution(現物支給)と我々言いますけれども、そういう物々交換の体制もまた、internationalにやって頂くのが我々にしても一番新しくて、一番能力の高いものを常に使える事になりますから、願ってもない事だと思っております。

 

(Briden)

末広先生どうぞ

 

(末広)

今のに関連して居ると思っているんですけれども、結局さっきからEarth systemという言葉が出ていて、複雑であると、しかも非常に国際的に物事を進めなくてはいけないと、一方grass roots(草の根)のscientistのアイデアはものすごい大事であると言う訳ですが、やっぱり色んなdiscipline(学問)がdiscipline毎に業界要請がありましてですね、若い研究者にとって見れば恐らく垣根を越えて、隣へ、あるいは、ジャンプして行くというのは余り簡単な事ではなかろうと思います。先程、私が話した時は、私は今ODPの計画委員会とか、色々やってまして、ですけれども、今偶々離れておりますので、一研究者として色々user的な発言をしたんですが、今度は逆にその実際にこう言うものを旨くoperateして行こうと思った時にはなるべく余計な敷居は低くしたい、低くすべきである、という事を言いたい。で、ODPに関与するようになって、元々海底に地震計を置いて構造を調べたりしてた訳ですけれども、又掘るなんてのは余り関係ない所に居たんですけれども、ダンダン引きずり込まれて行ったんですけれども、やっぱりODPの会議に出たりしますと、全く分からない事だらけなんですね。これで同じearth scienceをやってるんだろうかと思うくらい難しい言葉がいっぱいでて来て、それはそれで大変な教育になるんですけれども、色々覚えて行くのにすごい時間が掛かる。そういう事があると、やっぱり難しい。それはODPも当然認識して居て出来るだけ垣根を低くしようという努力をずっとやって来て居ると思いますけれども、今後、それをさらに拡げようって訳ですから、なるべくgrass rootsの意見を言いやすい雰囲気、言いやすい体制を作るって行く事が非常に大変だろうと思います。

 

 

 

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