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Earth interior(地球内部)の掘削を私達は目指して来た訳ですけれども、期待した程成功はしなかったというのは事実です。しかしながら海洋学という事では海底掘削というのは非常に大きな輝く星であった訳です。この世界に於いては古海洋学の分野に於いては海底掘削というのはスターでした。ジャーナルなんかに関しても、特に海底掘削の部分というのが最も成功したジャーナルだという形で皆に考えられております。ですから、私はこれを成功だと思っております。と言いますのも、掘削に関してはJR号の活躍があったからです。このJR号に関して言えば、古海洋学に関してこれだけうまく成功する事が出来たと言うのは、やはりJR号に依る所が多いと思いますし、将来的には、これから先掘削船が造られると思いますけれど、日本の方々からの予算が出るという事でしたので、これを実現してそしてRiser掘削船と言うのが出来ましたら、さらにこれから先いろいろな掘削Projectが出て来ると思います。こうなって来ればより広い範囲でのlisothphareなんかに関しての掘削のprojectというのが必要になって来ると思います。

それから、もう1つ申し上げたい事があるんですけれども、structure .structure(組織)という話が出て来ております。ここでもう1度DSDPとODPの2つを長い間やって来たのですけれども、これは非常に良く組織されたプログラムです。又scientificコミニティーの方々から作られて来た組織なのです。この中で気を付けなければならないのは、この様な提案型のシステムというのを温存して行かなければならないと言う事です。つまり、下からだんだん持ち上げられて来る様々な提案システムと言ったものを、キチンと私達が把握して、それを反映して行かなければならないと私は思います。

 

(Briden)

どうも有り難うございました。

木下先生、ではこれから先どうなるのかという話についてちょっとお話して下さい。

 

(木下)

(日本語で申し上げます。)幾つか今までのお話で、口を挟まずに居たコメントの中に、今長沼先生の話に対する私なりの思い出とコメントをお話しします。

COSOD IIというODPの計画会議がありました。けれどもその時に生物というのはこれから大事な問題であるから大いにやるべしという御意見が非常に強かった訳です。で会議が進むに従ってどう言う訳だか声が小さくなって行ったと言うのが、それが外からの影響なのか、自然に崩壊したのか良く分かりませんが、ODPのphaseでは生物というものが余り注目を、重点を置かれないようなlong-range planになってしまったんです。で、今回、長沼先生方にお願いして、OD21少なくともIODPでは生物、地下深部生物という問題を、1つの大きなテーマとして取り上げて行きましょう、と言うのが全員のコンセンサスだと思いますし、これから、その勢いを無くさない様にして行きたいと思ってます。私個人の今迄の掘削問題に対する色々な感じ方と、ある意味でのfrastrationと言いますかそういう問題から入らせて頂きますが

地球を掘削して色々な事を調べると言うのは科学をやるための1つの手段として我々が使うんだと、よく言いますけれど、又、当然の事として、じゃあ一体どんな手段を使って何を調べるのかという所で、ハタと行き詰まってしまう事がしばしばある訳ですね。我々の目の前にODPという非常に立派な計画がありまして、それを見ているともう掘削事業をあれだけやっとけばいいんじゃないか、お任せします、という事で、我々は考える。そういう傾向が有りますけれど、よく考えて見ると、そういう基本的なスタンスは、大いに間違っていると言う事に我々も気が付いた訳です。と言うのは、例えば、これから地球の気候変動がどうなって行くのか、あるいは地球気候変動を起こすような引き金になるものは何なのか、あるいは地震、subduction zoneに於ける、seismogenic zoneや、大陸の崩壊、陸棚の崩壊と言った様なものとどう結びついて居るか、と言う様な事はゼロ・エイジから10億年エイジ迄のダイナミクスが分からなければ恐らく解決しないだろうと、これはKevin Bureke先生のおっしゃった非常に短い時間から長い時間迄の地球システムというものを勉強しなくちゃいけない、それをやる事によって、自然に地球のダイナミクスが理解される様になるというお話と全く同じ事だと思ってます。そういう事を研究しようと思って、例えば地球の上に有るコアがどの位有るか、と思ってしばらく見てた事が有るんですが、例えば2-30年前ですと、ソ連と言う、今ロシアになりましたけれども、国が非常に大きな国家プロジェクトで長大なコアを掘る計画を立てていましたが、10億年位の地層まで掘っては見たものの、コアとコアとの間の欠損が非常に多くて連続データが採れない。

 

 

 

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