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(末広)

昨日、James Bridenがリラックスしてやれとおっしゃられましたので、リラックスしてやりたいのですがなかなかそれも難しい所ですが、さっき最初のOHPで私がしゃべるべきglobal scienceというのがありましたけれども、私は少しもglobal scienceの専門家ではありません。しかしこの場を借りて一つ言いたい事があるものですから、それがたまたまglobal science relatedなものですから申し上げるんですけれども、それは海底に長期観測所を建設するという事なんですね。陸上では既に地震観測が最もてっとり早い例なものですから、それが出来ますけれども、地震観測networkが建設されてそれで今やデジタル広帯域地震計がですね、陸上にどんどん配備されている。どんどん面白い事が分かってきた。それは地球の中のマントル対流でありますとか、コアの中の状況がだんだん見えてきて、それで例えば今日プルーフがどう上がってきてという話がありましたけれども、そういった話とlinkさせたものが出来るようになってきた訳ですよ。しかしながらこのnetworkは陸上にしか展開されておりません、海底は完全に欠落している訳です。じゃあぜひ海底に是非建設したいと、その場合に色んなやり方があるんですけれども、我々は掘削孔の中に入れるのが一番長期安定、しかも静かな環境の中で観測できる最も相応しい環境になろうという事で、昔から、昔といっても10年くらい前からODPに対して提案をしてきた訳です。で、その時にそういう事を考えてみますと、今のこのテーマであります、つまりどうやって地球科学掘削を進めるかということに関して言えば、海、つまりocean drillingに、いはばspecificなような感じがする訳です。で、またこれはしょうがないです。陸の人はさっさとやっちゃったから、我々は遅れてやる訳ですけれど、しかしながらinternational、国際的なco-operationという意味では、今ここで議論されている事と全く同じ事が行われている訳ですよね。つまり我々はinternational ocean network委員会というものを作りまして、それで国際共同の委員会でお互いinformation science目標をどう立てるか、それからtechnologyをどうやって進めるかという事を常に議論しております。で、それには世界各国の専門家が集まってきて、scientist、engineerも議論に参加している訳です。で、実際問題のそのnetworkを作るとなると、やはり大変なお金もかかりますし、維持の事を考えるとまた頭が痛くなるんですけれども、しかしこの議論の最初の方にも出て来ましたけれども、一国だけで出来る事業ではとてもありません。そういう意味でも国際的co-operationは絶対に必要な事であるという訳です。

それから、今度私のさっきも何度も出て来てるんですけれども、leg186で日本海溝の陸側斜面で掘削を今年の夏やる訳です。私達はこれを実現させるために何年もproposalをODPに認めて貰うようにpushしてきて、ついに実現して本当に嬉しいですけれど、後はまあ成功をぜひしたいと願っている訳ですが、これはこの問題に関してはもう何度も言われてますから繰り返しませんけれども、そのseismogenic zoneの理解を進めるという極めて重要な実験になるだろうと私達は信じております。で、もしこの掘削だけでですね、済むんでしたら、済むんだと我々が思えば、まあ陸上なんかどうでもよろしいという事になる訳ですけれども、残念ながらそうはいかない訳です。やっぱり今日金森先生が話されたように、東北日本には東北日本の事情があり、南海トラフには南海トラフの事情があり、サン・アンドレアコにはサン・アンドレアコの事情がある訳でありまして、その特性を理解すると共に、一般性を導き出すためにやはり色んな所でどうしても色んな事を調べなきゃいけない、で、workshopからこのforumにかけて水の存在の役割ですね。まあ何度も何度も色んな形で述べられてきましたけれども、そういう観点で見ますと、全てに共通に重要なscienceのターゲットとして認識できて、私達はそう東北沖を掘るからもう要らないという風では、とても真のゴールに到着出来ないと思っています。

そういう訳で、ちょっと二つ違ったような話をしてしまいましたけれども、drillingという事を考えてたら、今私が二番目に話した事で非常に重要なlinkageが陸上に有ると、それから前者の方でいえば、earth science全体がco-ordination国際協力していかないと出来ないんだという事ですね。で、まあ翻って見れば、全体ひっくるめて、その要するにロルフ・エマーマンさんが言われている風にearth systemというものを理解する事が重要であるという観点に立てば、drillingも含め色んな分野のscientistが共通のゴールをしっかり認識すると、研究者の立場に立って見れば、僕はこれをやってりゃいいんだと思ったら、本当にあなたの求めたい答えが出て来るんでしょうか?という事を自分に問い掛けてみる事が重要じゃないかと思います。

 

 

 

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