(Briden)
エマーマン先生、有り難うございました。
では、この研究者の、つまり研究の分野に於いて、私にとって、私自身はこの掘削のプログラムを数年に亘って見ているんですけれども、非常に面白いのは微生物学というのが、掘削のprojectの中に入ってきたという事なんです。で、微生物学の中で、例えば有機科学であるとか、その微生物学とかそういったものが出て来て、昨日の午後なども微生物に関しての話がありました。これは非常に面白かったと思います。またもう一つ、ここと水曜日のworkshopのどちらにも出て来たsubjectですが、これは氷床掘削です。この東先生からこの氷床掘削についてお話をして頂きたいと思います。
(東)
私はここへ来る迄は、海洋掘削という事は殆ど知りませんでした。私自身は、様々な海底のコアとか堆積物のコアを使って研究していたんですけれども、実際に海底掘削をしている人達に直接会う機会というのは有りませんでした。ですから今回は、こうやって皆様方とお会いする機会を下さった会議の主催者の方々にお礼を申し上げなければなりません。共通の事が沢山あるんだなという事を今回気付きました。陸上掘削とそれから海底掘削と、そして氷床掘削との間に共通項が沢山あります。例えば、paleo-climateなんかを使うという事になりますね。例えば古代気候ついて勉強するという事になりますと、極地帯に関しての勉強をしなければなりませんし、また高山地域に於いての研究と言うものが必要になるんですけれど、しかし海底とかそういった所から余りサンプルを得る事ができなかったんですね。ですから皆さんおっしゃっていますように、色んな情報を集めなければならないという意味では協力が必要になります。
急に気候が変動するという事は、それはどういう事かという事をまず考えなければなりません。で、こう言った事を比較するためには、つまり氷床のコアとかそれ以外のコアというものを比較して行くためには、特定の期間というものを設定して比較しなければなりません。どの期間にするかという事がいつも問題になる訳です。これはある程度議論が戦わされていて、そしてなかなか納得する事が出来ないという非常に大きな問題をかかえています。最近の技術の進歩に拠りまして、もっと正確に歴史の年代などを設定する事が出来ました。例えば、火山の灰の堆積している層と言ったものを、あるコアから採集したものがありました。で、もしこう言った事が正確に出来るような事になれば、海底のコア、陸上のコアの結果と言うものを同じ年代で同じ時間の区切りで比較する事が出来れば、どの気候変動が最初に起こって、そしてどの気候変動が後になったのかという事を正確に同定する事が出来るでしょう。これが重要だと思います。
氷床のコアの方がメリットがあります。なぜならば記録としての精度が高いからです。非常に記録の精度を重要視するのであれば、氷床コアと言うのを使わなければなりません。しかし、もっと大きな期間で気候変動を見るというのであれば、例えば地球の進化とかそう言ったものを見るのであれば、海底掘削とか陸上掘削の記録を見なければならないという事になります。ですから、色んな面での記録がどうしも必要になるという事になる訳です。氷床コミュニティーとして、私達はこれまで沢山の国際協力をして参りました。Dome富士で、ice-coringの成功というのはヨーロッパとアメリカのチームに負う所が多いのです。というのは、2,500m迄掘削するというのは私達にとっては初めての事でした。西欧のチームの協力がなければ、私達は2,500m迄行く事が出来なかったでしょう。感謝しなければなりません。また、技術だけではなく様々な科学情報を交換していまして、こういった中でも特にアイスコアの記録を交換するというのは非常に重要です。海底掘削と同じように、若い世代の科学者達でfield campとか、グリーンランドとかの探検隊なんかに行く人達というのはどんどん増えています。この先まだ増えると思うんですね。私が学生の時は、そういった機会はありませんでした。多分予算が十分に無かったというのがその理由なんでしょうが、今や日本政府もある程度予算を付けて呉れるようになりましたので、若い世代の研究者も海外へ出る機会が増えるようになりました。これは将来的に非常に重要になると思います。それからまたもう一つ申し上げたかった事は、アイスコア氷床の掘削、それから海底掘削、それ以外の掘削も外見は違うように見えますが、互いに学びあう事は沢山あります。特に技術面に沢山あると思います。
(Briden)
どうも有り難うございました。バーク先生どうでしょうか。