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しかし今次のstepに入っていく時期に来ているのではないかと思います。つまりODPとICDPとの間の協力というのをもっと緊密にしなければなりません。何故かというと、地球科学者というのはここ一年の間に大きな変化を経験してきたからです。えー例えば、海洋地球科学というのがあって、一つは陸上地球科学というのがあって、私の国などでは、色々な予算から予算がついて様々なプロジェクトが現在進められています。ですから、今日これを理解しておかねばならないというのは私達の惑星がどういう風に機能しているのか、そして地球のシステムをリサーチ(研究)する事によってそれが分かるんじゃないかという事です。つまりICDPとODPのプログラムだけではなくて、それ以外のプログラム、例えばice drillingであるとか氷床の掘削であるとか、それからまたそれ以外にも色んな掘削のプロジェクトがあるんですけれども、同様の掘削のプロジェクトの中ではもちろん重複している部分というのが有る訳です。

 

(OHP-5)

ちょっとOHPを見て頂きたいのですが、色々な科学的なrationalというのがここに有ります。ここにある例の中には殆ど一対一でODPとその他のものであるとか、ICDPとの間で重複しているものがあります。例えば地球の歴史であるとか、天候であるとか、それからまた海洋の中の堆積物の研究と言った一つ一つは申し上げませんけれども、重複している部分が殆ど一対一であると言っても過言ではありません。

これらの研究テーマを見ただけでも、両方のタイプの掘削が必要だという事です。陸上と海底との両方の掘削がなければいけないんだと、互いに補完する事が出来ないという事です。これは金森先生のお話の中でも有りました様に、地震学の中での掘削の必要性というものも指摘されていました。ODPとICDPで共通の課目としては、例えば断層関連の掘削であるとか、地震がどういう風に断層によって引き起こされるかというような研究ですね。こう言ったものは、一つの掘削とか一つの場所だけで分かるものじゃありません。この様な問題というのは色んな場所でアプローチして行かなければなりません。例えば、沈み込み帯の所の掘削であるとか、また拡大先端の所のdrillingであるとか、そういったことを見ていかなければならない訳です。そういった意味では相互作用、お互いに関係があるという事になる訳です。そうする事によって最終的には地球に対しての理解を深めることが出来るでしょう。特に私の国での状況を簡単に説明しますと、ドイツは海底掘削に25年前から携わっております。様々な予算も政府としてこれ迄付けて来ております。

特に陸上の深層掘削の方に予算を付けてきました。狭いプロジェクトチームの中だけで研究することに慣れてきたと言うのがこれ迄の歴史です。つまりODPとそれから陸上掘削プロジェクトで働いている人達というのは同じような人達で、これは科学研究省の方から出てくる予算を使って、掘削を行っている訳です。これはドイツ、ホーサン・スカマンシャーという所に予算を付けまして、このスカマンシャーというのは、科学的な調整と言うのをやっておりまして、それから予算が出ている訳ですが、連邦政府は現在政府は、現在陸上掘削をICDPとODPを両方に予算を分けておりますが、一つの部門でつまり一つの人がこの予算を調整している訳です。このタイトルというのは掘削ではなくて、地球システム研究という事になっています。この名前からも分かる様に色々なその活動が、ホンの一部でしかないという事になる訳です。ですからドイツの観点から言えばもう既に二つのグループの間の協力関係というのは非常に緊密になっていると、似たような緊密な協力が国際的にも出来ればと私は思っています。色々なプログラムで既に既存の組織であるとかそう言ったものがある訳ですから、それをうまく橋渡しして行けばいいと思う訳です。これは私の夢でもある訳ですかれども、こういった組織を作って一級の科学的なターゲットを設置してゆくべきだと思います。Priorityと言うものをきちんと設定してpriorityに沿って、国際協力の下に研究してゆくべきだと思うのです。また、priorityをどうするかという事も、元々projectチームの中で決めて行かねばなりません。これから数年の間多分そういう形で国際協力が緊密になって行くでしょうが、この会議というのは、その国際協力に向けての重要な第一歩という事になるんじゃないでしょうか。

 

 

 

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