日本財団 図書館


それは海に限った事ではないんですが、お医者さんなんかもそうなんですが、そういうことで、それも1つの我々メディアの役割かなという気がします。我々もく今は考えないですけれど、昔は一般の家庭にNHKですと言って取材にお邪魔しますと、丁度いいところに来たテレビ直して呉れと言われたりした事がありますけれど、一般の方にとってはNHKというのは、テレビも直せるものだと思いますけれど、そういう所は、どの世界にもあると思うんですけれども、それは1つそれぞれの役割を分担してるという言い方も出来るかも知れません。

 

このシリーズで何人かの方々に、視聴の方からもそういう指摘がありましたし、専門家の方からもあったんですが、以外に日本の研究者の人が番組に出てないと、もっと日本の研究者を出すべきだ、日本で作っている番組だろと言われたんですけれども、これは個人的な印象ですけれども、本当かどうか分かりませんが、何となく特に日本の研究者の方々は非常に仮説に対して慎重でいらっしゃるというか、余り分からないことは言いたくない、と言うような所があって、要するに身贔屓してなかなか、presentationして呉れないんですよね。そうすると、例えばさっき出ていましたコロンビア大学のブローカー先生なんか、いい例だと思いますけれど、結構、大胆な仮説ですよね、きっと、そういう風にして、この時に何が起きたのか、というある種のSequenceで、シナリオを作って行こうという気持ちが日本の学者の方々よりも強いような気がして必然的にさっき申し上げたように、我々はストーリーを作って行こうとしますから、そうすると、やっぱりどこかの研究者の方々がこういう風に思ってます、という風に紹介する訳で、その時にどうしても、やっぱり欧米の研究者の方が多くなるというのはあると思います。これはフランスのテレビ局と共同製作してるんですけれど、フランスのテレビ局からは、なぜフランス人の学者が少ないんだと言われますし、各々そういう時にモノは見えるんだと思うんですが、時にフランスの方々はアングロサクソン系の研究者の方は余り好きではないというか、結構対立しているものが幾つかあって、そういうモノに対してのreactionとかですね、あったりしますが、基本的には我々はやっぱりある種の全体像を描いて呉れると嬉しいし、苦労も少ないことがあって、そういう先生とこへなびいて行くと言う事があると思うんです。特に日本の研究者の方々に対する個人的な要望ですけれども、もっと大胆でいいんじゃないかなという気がします。それをやることによって、又それに対するreactionが、あったりとか、いう事で要するに色んな事が分かってくるんじゃないかと思いますし、よく我々も引き合いに出すんですが、NASAとかね、例えば、火星へなぜ行くのか、とか一生懸命に説明してますよね、ああいう、publicityにも関係する事なのですが、その意味をやっぱり、こう我々は作り手ですから、組み取ろうとしますけれど逆に研究者の方々からは意味をもっと一般に人々に対してアピールしてもいいのかな、という気がします。そのために我々を利用して頂くのも結構ですし、そういう形でもっと情報が一般の方々と共有できれば非常にいいんじゃないかと、特にこのシリーズでも、ジョイデス・リゾリューション号が3回か4回出てきましたが、海底に孔を掘るなんて話は、やっぱりすぐには分からないですよね、だから、何でそんなことをして、お金も掛ける訳ですし、それの意味と言うのをやっぱり研究者の方々だけではなくて、なぜ、こういう事をやるのか、という事をもうチョットアピールされてもいいんじゃないかなと言う気は致します。

あんまり、お役に立てる話は出来なくて申し訳ないんですけれども、チョット口直しにきれいな映像を見て頂きたいと思います。

 

次にお見せするのは、先程申し上げた深層海流なんですけれど、これは非常に水の中に流れている密度の違う水っていう話で、これは普通絶対に見えない話ですよね。見えないんですけれども、つまり研究者の方々は、たぶんこういう風にイメージされているんじゃないかなと、つまりそういうものをチャンと絵にして皆さんに見せる事によってこういう深海底をぐるぐる廻っている水の流れがあるんだよ、と言う事を伝えたかったという事なんです。これは余り満足してないんですが、何とかCGを多用して、それに色ん形の映像を重ね合わせて、深層海流の始まりから終わりまでを描いて見よう、という事で作ったものです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION