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(FIG.-32)

自分の興味で言いますと、この大平洋プレートの下でマントルプルームと、それから相互作用がありまして、例えば、コーラウという火山ができた今から250万年前では何故か、殆どマントルプルームの中のカンラン岩が溶けるのではなくてその中に含まれるエクロジャイト成分が選択的に溶けるというような事が起こっていた。しかし現在のハワイであるキラウエアではエクロジャイトばかりでなく周囲のマントルカンラン岩も明らかに融解している証拠がある。例えば、マントルプルームの温度が少しだけ上昇した、50℃位上昇するという様な事が起これば、その変化を説明できます。あるいは、温度が変わらなくても上を通っている、Pacific Plateの厚さが少し変わりますと先程の相平衡図を思い浮かべて頂けると分かるかも知れませんが、同じ温度でもそういう変化が起こる可能性があります。

 

(FIG.-33)

これは、太平洋の地図で、私が今、申し上げたのは、このハワイ天皇海山列の一番新しい時期のモデルを非常に正しくよく理解すれば、地球内部のダイナミクスについて、非常にいいヒントを与えられるという可能性を申し上げたのです。実はこのハワイ天皇海山列というのはアリューシャン海溝まで約1億年近いレコードを持っています。そこで、この間にどういうことが起きたかを深海底調査、あるいはOD21で提案される深海底ボーリング調査をすることによって、ここで明らかにした描像が過去1億年間どの様に継続して来たか解明し得る可能性があります。

 

(FIG.-34)

それから、今申し上げたのは、これは太平洋の中のハワイのホットスポットですが、例えば東京工業大学の丸山教授のスライドを、お借りしてきましたけれど、この太平洋には先程申し上げた、オントンジャワ海台の様にマントルプルームの一番最初の洪水玄武岩のステージを表している様なもの、その他にスーパープルームと呼ばれている、あるいはスーパースウェルと呼ばれている部分で造られた非常に沢山の火成作用がちりばめられておりますので、こういうものを調べて行くことによって、地球がどのように活動してきたかという歴史あるいはそのダイナミクスを明らかにする可能性があると思います。

以上、どうもありがとうございました。

 

(座長)

どうもありがとうございました。

大変壮大なお話で、これだったら一生かけてやって良いなと思うような問題だと思いました。

ご質問、ご意見あるいはコメントお持ちの方おられますでしょうか?

 

海技センターの松本です。

2つ質問があるんですが、

一つはマントルプルームの起源はかなり深いところという風に今考えられているのですが、その場合にやはり海底のプレートの運動はとても速い、どうしても相互作用ですね、それにマントルプルームが上がって来たときに海底付近でプレートの運動に引きづられて、一定方向にプルームが流れていくというような現象が当然考えられると思います、そうしたモデル計算をしていたグループもあるという風にきいておりますが、そういった効果は岩石の方でどのように表れているか、あるいはどういうふうにこれから調査をすればこういった効果がみつかる可能性があるかと言う事をまず、お聞きしたいと思います。

もう一つは山体が崩壊したとすると、重力とか、地磁気とかを測った場合に、これはアイソスタシーが成り立っていないので、プレートの上に余分な塊が落ちているという効果が恐らく、重力地磁気の観測効果から分かると思うのですが、そういった記録が、現に採られているかということも聞きたいと思います。

 

 

 

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