(FIG.‐21)
それで、これが私たちが調べた地点の地図でありますがオアフ島から最大300km位の所まで調べました。
(FIG.-22)
これは、その調査の結果作った海図の例なのですが、この地域の流れ山の一つ一つを非常に詳しくSea Beamで調べることが出来ました。さらに、こういう所の岩石をいろいろな方法で回収するということを致しました。
(FIG.-21)
明らかになった事の一番まず重要なことはこの地域の非常に大きなテーブル状の山があります。タスカルーサ(Tuscaloosa)海山をといいまして、これは20年くらい前からここにこういうものがあるということは知られていたのですが、あまりに大きい為にオアフ島の山体崩壊では説明出来ないのではないか。ハワイの乗る太平洋プレートが生成した約1億年前白亜紀の元々の海山ではないかという考え方が実はあったのです。
(FIG.-23)
今回の調査でKAIKOを使って、実際映像をみながら撮ったこれタスカルーサ海山の山頂部で取った岩石なのですけれども、切って見ますと内部にこのように沢山の気泡があります。こういう沢山の気泡というのは、タスカルーサ海山の水深は現在3000m、山頂で3000m、下では4800m位なのですけれども、その3000mの水深では高い水圧のため絶対にこのような気泡に富んだ岩石はできません。これは化学組成も含めて言いますと、明らかにハワイの現在の噴いている火山のしかも陸上部分の溶岩であると言うことが今回の調査からわかりました。
(FIG.-24)
それで細かい話は省略致しますが、私どもは陸上で調べたコーラウ火山の岩石を調べてみると大体60%位にはハワイとしてはやや異常なことに斜方輝石(オルソパイロキシンorthopyroxeno)というものが斑晶(phenocrust)として入ってます。
(FIG.-25)
ところが、この大規模崩落地形の中を調べてみると、ほとんどそれに該当する岩石が出てこない事が分かりました。鉱物学的に非常に陸上部分と違うということが明らかになったのです。
(FIG.-26)
で、化学組成を見ますと、これも非常に特徴的でありまして陸上部分のコーラウ火山は非常にシリカに富んだ溶岩から成っています。それで、これは海の中のある限られた場所の岩石なのですけれども、それはほとんど陸上部分のコーラウ火山と全く同じ化学組成をしていました。
ところが、タスカルーサ海山を含めてその他の殆どの地域で採集していたものはコーラウ火山の岩石陸上部分とは全く違って、例えば、現在噴いているマウナロアとかキラウエアに類似した化学組成の火山の溶岩が出てきました。
(FIG.-27)
別のVariation Diagramで違う元素で見てみますが、全く同じことです。やはりコーラウ火山だけでは、とても説明できなくてマウナロアとかキラウエアと言うようなハワイのいくつかの火山を合わせた様な化学組成でないと火山だけのvariationが海の中から調べられたということです。