で、本計画はまさにタイムリーであり、21世紀につながる国際共同研究プロジェクトとしてふさわしいものであると言うことができる。
これらの研究は、地殻内での条件の異なったさまざまな場所で実施される必要があるが、そのためには大深度サンプルの採取可能なライザー掘削船の他に海底表層部を多数地点で掘削可能な従来型の掘削船をも併用できるようにするべきである。また、コア及び掘削孔を用いての現場での微生物研究を可能にするための設備も必要である。
上記の基礎研究にともなって地殻内サンプルから分離される多数の微生物株の中には、産業的に有用な物質を生産するもの等も見いだされる可能性が高く、かなり大きい経済的効果が期待される。
3. 指摘事項
本計画を実施するに際して留意するべき点のいくつかを以下に指摘しておく。
1)暴噴防止装置によるライザー掘削の安全性を確認することが計画実施の前提として必要である。
2)地殻内生態系への汚染を防止するとともに、微生物研究用には目的とする層以外からの汚染のないサンプルが入手できるように環境を整備すること。
3)選考委員会をつくり、有能かつ偏らない学際的研究チームを編成すること。少なくとも一定数の研究は公募すること。
4)一定期間ごとに評価を実施し、弾力的に計画の軌道修正をすること。