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資料4-4

レビュアーの意見

 

(仮 訳)

OD21に関する評価

 

レビューワー(Sean C.Solomon氏)の評価コメント

 

1. 科学的・技術的意義

(1)科学的意義があると認められるか。

 

A. 認められる

 

OD21のテーマとなっている科学的疑問は、今日の地球科学において最も基本的な疑問である。現在および過去の気候変動や海水準変動のメカニズムを解明することは学術的に重大な意味を持っている。というのは、それらの変動があらゆる点で複雑な地球システムと結びついているからである。地震に伴う地殻変動、地震に続いて起きる地殻変動、そして最も重要な地震の前におきているかもしれない地殻変動、これらの地殻変動の変動幅を調べることは地震学の先端研究の中でも最も重要な研究テーマである。地震は惑星規模の熱機関活動が地表に及んだ現象の一つに過ぎない。この熱機関はマントルを対流させ、岩石を溶融させ、地殻を大陸性地殻と海洋性地殻に分化させる。しかし、地球の歴史を通してマントルのダイナミクスを理解することについてはあまり進展しているとは言えない。近年、陸上の微生物の応用利用が進んできているが、環境中の生物多様性について広く認識されてきたのはごく最近のことである。海底下の自然環境はどうなっているのか、どれくらいの生物圏が広がっているのかという疑問は最も基本的なものである。この問いの答えは我々の生命観を変えるかもしれない。それどころか、地球惑星の生物の起源や進化を明らかにするかもしれない。海洋堆積物中のガスハイドレート層には、地球環境にとって重要な意味を持つ炭化水素が貯蔵されている。ある程度以上の量の温暖化ガスが大気中に放出された結果として斜面崩壊や地滑りが起き、ガスハイドレート層が不安定となって大気中に気体として出ていってしまう可能性がある。ガスハイドレートの崩壊は気候の重大な変動の原因の一つになるかもしれない。しかし、現在のリモートセンシングやサンプリングによってこれを検証することはできていない。

 

(2)本計画は将来的に産業技術の向上に寄与すると認められるか。

 

本項目は私の専門外であるが、答えは明確にYesであると推測する。なぜならば、水深2500mを越える非常に圧力の高い場所で不安定な地層を掘るための技術開発というようなものは経済的に余力のある産業界でないと行えないものであり、彼らの力によって海底下の未踏領域の探索が可能となると考えるからである。

 

 

 

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