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・地球深部ダイナミクス

海洋性地殻の全断面及びその下のマントルの試料を採取し、プレート・テクトニクスとプリューム・テクトエクスの統一的な理解を目指す。また、巨大火成岩岩石区を掘削することによって過去のスーパープリュームの上昇によって生じた大規模な環境変動を解明する。

 

・地殻内生命

これまで全く知られていなかった地殻内生命圏の広がり、多様性、エネルギー収支及び炭素循環における役割、生理学的性質、生命の起源と進化における位置付け等を解明する。

 

・メタンハイドレートの成因と崩壊

巨大な炭素貯蔵源とみられているメタンハイドレートの成因とその安定性、炭素循環における位置付け、環境変動への影響等を解明する。メタンハイドレートの崩壊は海底地滑りによる津波や大量の温暖化ガス放出による環境変動を招く恐れがある。その崩壊のメカニズムの解明も目指す。

 

(6)国内研究体制・研究環境の整備

・上記の研究課題に関連する国内の構成人口は地質学会約5,400人、地震学会(すでに本計画の推進を要望する決議書を提出している)約2,200人、火山学会(同じく)約1,100人、海洋学会約1,800人、その他(古生物学会など)を含めると一万人程度と考えられる。その中で研究活動に活発に従事しており、機会が与えられれば深海掘削に直接関与する可能性の高い者は、約1/3の3,000人程度と考えられる。

 

・二船体制のもとでは、日本からの年間乗船機会が現在の約12人(世界で約150人)から100人(世界で300人程度)程度となる。ODPの15年間の日本の乗船研究者及び陸上支援研究者はのべ約300人であったが、IODPでは最初の10年間でのべ600人程度 (IODPへの移行当初の運用習熟期間における乗船機会の制約を想定)の日本人研究者の参加が予想される。

 

・本計画における日本の研究体制について、IODP国内連絡委員会(委員長:久城岡山大教授)において、領域横断的な研究組織を有する中核陸上研究拠点と草の根型の流動分散型研究制度が相互に牽引しあう体制を構築すべきと提言されている。

 

・研究環境として、船上での分析・解析及び陸上での分析・解析を効率的に役割分担することとしている。また、国内にコア試料保管センター及び孔内計測データ解析センターを設立してコア試料分析・データ解析専門技術者を確保するとともに、技術開発と密着した研究体制とすることを目指している。

 

 

 

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