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・地球深部探査船は、石油・ガス層に制約されずに海底下大深度まで掘削する課題を担当し、従来型掘削船は、海底下表層部を中心に全球的な多数地点を掘削する課題を担当する。これによって地球深部探査船はODPでは実現できなかった地震発生ゾーンやマントルヘの到達を目指す一方、従来型掘削船は海底下表層部に専念できることで、これまでよりも多くの地点での掘削が可能となるため、現在から数十万年前に至る過去の気候ジャンプなどの全球的な高解像度復元が可能となる。

 

・IODPの科学目標、科学計画は国際的・国内的に広く科学者による議論・合意を経て決めていく。ライザー掘削の科学目標は「ライザー掘削国際会議」(略称:CONCORD、1997年7月22〜24日東京にて開催、センター、東京大学海洋研究所、JOIDES/ODP共催)で設定された。今後、従来型掘削の科学目標について1999年5月に「二船科学会議」を開催、両船の統合的な科学目標について2001年に「統合科学掘削会議」(Integrated COSOD)を開催する予定である。

 

・ODPでは国際共同計画を運営する計画管理組織(JOI)及びJR号の運航、科学サービスの提供等を担当する科学オペレーション組織(TAMU)が設けられている。地球深部探査船についても同様の計画管理組織及び科学オペレーション組織を整備するとともに、日米両組織において共通化できる機能は共通化して効率的な運営組織を目指している。

 

・地球深部探査船の建造は日本が行い、参加国は技術情報又は船上研究設備等を日本に提供することにより貢献するものとする。国際運用費の国際分担については二船の運用費の合計を日本、米国、その他の参加国がそれぞれ1/3程度を分担することを基本的考え方として現在国際調整が行われている。

 

(5)二船による科学目標

二船によって得られたコア試料及び掘削孔を利用し、以下の研究を総合的に推進することが主要目標となっている。

・急激な気候変動

深海掘削によって過去の氷期及び間氷期に生じた気候ジャンプの全球的な実態を復元しそのメカニズムを解明する。

 

・地震発生ゾーン

地震発生ゾーンに達する掘削によってプレート間の力学的結合状態の空間的不均質性を解明する。また、掘削孔を利用した地殻変動計測によって海底地震計では検知できない前兆現象の捕捉を目指す。

 

 

 

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