(5)研究体制
IODPの二船体制は、科学目標を最大限に達成するための有効な国際的枠組みと認められる。その中で日本が研究成果の面で世界をリードしていくためには、運用とプロジェクト推進の中核となる研究拠点と、多様な発想で掘削試料や計測データから研究成果を生み出す多数の分散した小規模な研究グループとが連携し、相互に牽引しあう研究体制を本船の完成までに整備すべきである。
(6)費用対効果
科学目的の計画について費用対効果を算定することは困難であり、そのような状態で費用対効果を評価の材料として扱うのは適当でないと考えるが、計画提案者の部分的試算に加え、それ以外の数値化のより困難な効果も含めて敢えて判断すれば、本計画によってもたらされる科学的成果は、地球深部探査船の建造・運用等に投入する費用に比べてより多くの社会的・経済的効果を生み出すと推定される。
(7)総合的評価
以上の多くの面での検討により、本計画が科学技術上大きな価値を有するものであり、また、その成果は地球環境、災害防止、資源問題など社会的課題にも貢献するものと判断される。よって、本計画を推進することは適当であると認める。その際、効果的な研究体制を整備することが特に重要である。
なお、計画の実施に当たっては、社会へ積極的に情報の提供を行う必要がある。