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南太平洋スーパープルームは、約6億年前に誕生して超大陸ゴンドワナランドを分裂させた、と考えられる。6億年に及ぶ南太平洋スーパープルームの活動史を明かにする目的で、環太平洋造山帯を含めた太平洋域全体について、地質学、岩石学、地球化学的な観点から検討を行い、以下に示すような調査結果・予察的成果を得た。

西太平洋地域には、総量3億km3に及ぶ巨大海台郡が点在する。それらの形成年代は、地磁気縞の解析・海洋底掘削による化石試料と放射年代データに基づけば、 1億年前に集中していることが明かになった。短期間にこれほど大量のマグマを発生させるには、上部マントル内のみのマントル運動では不可能であり、下部マントルに出来するスーパープルームの活動が予想される。

環太平洋造山帯付加体に関する文献調査によって、約250個に及ぶ岩体が海山・海台起源の緑色岩を含むであろうことが明かになった。それらの形成年代には極性があり、 6億年前、4億年前、3億年前、 2億年前、及び1億年前のパルスが認められる。

図40 過去のスーパープルーム活動の探索

 

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出典:月刊「地球」号外No.19

図41 地球深部(核/マントル境界起源?)の巨大火成岩活動

 

 

 

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