(4)地穀内生命
極限環境で生きる微生物が次々と発見され、地殻内にも微生物が広く生息すると考えられます。120〜130℃と予想される微生物の生息範囲は海底下4000mにも及びます。地殻内生物圏の広がりを知るにはライザー掘削が必要です(図42)。
DNA解析による進化系統樹から真核生物、真正細菌(原核生物)、古細菌の共通祖先の存在が予想されるが見つかっていません。樹系図の根本近くに好熱菌が多いことから、共通祖先が好熱菌である可能性が指摘されています(図43)。また、最も増殖する圧力と採取場所の圧力が異なる好熱菌が発見されており(図44)、熱水活動域の地殻深部を起源とする可能性もあり、深海掘削による解明が必要です(図45)。