5-2. 作業場所と作業動線、滞留位置の結果
ローラー等の機器に巻き込まれる、網の上を歩くことによる転倒などが、多い揚網作業の中で、かけまわし漁法125トン型の網を吊り上げる作業者の作業場所と作業動線、滞留位置を分析した。調査の対象としたのは揚網作業の中の、網を吊り上げる作業で、コッドエンドが甲板上に取り込まれると、コッドラインを解くとともに、コッドエンドをカーゴウインチを使って吊上げ、漁獲物をハッチから上甲板の魚溜へ落とし込む一連の作業が行われている。
吊り上げるデリックを中心に甲板を約50cm区画に区切り、滞留時間を図5-14と図5-16に、作業員の移動動線を図5-15と図5-17に示した。
図5-14と図5-16は吊り上げたコッド部から漁獲物を取り出し網を畳む作業を主にしていた作業の4349秒(約72分)データについて解析を行い、図5-15と図5-17はカーゴウインチを主に操作していた作業の3316秒(約55分)のデータについて解析を行った。

図5-14 かけまわし 125トン型
滞留時間割合
(網を畳む作業)

図5-15 かけまわし125トン型
作業場所と動線変化
(網を畳む作業)
図5-14よりコッド部から漁獲物を取り出し網を畳む主に作業していた作業は、中央部分と左舷側に多く滞留しているが行動範囲は広い。また、図5-15より移動動線のパターンも多く網の上を歩く動線もみられた。

図5-16 かけまわし125トン型
滞留時間割合(カーゴウインチ操作)

図5-17 かけまわし125トン型
動線変化
図5-16よりカーゴウインチを主に操作していた作業は、コッド部から漁獲物を取り出し網を畳む作業と比べると中央部分と左舷側により多く滞留しており、行動範囲も狭い。広範囲に移動している。また、図5-17より移動動線のパターンは少ないが網の上を歩く動線もみられた。