5-1 .動作分析結果
動作分析結果を、揚網作業のワーピングエンドを操作する作業のオッタートロール漁法125トン型の時系列の変化を図5-1に、1秒(測定時間264秒)毎の要素動作と作業姿勢の頻度を図5-2、図5-3に、かけまわし漁法125トン型の時系列の変化を図5-4に、1秒毎(測定時間231秒)の要素動作と作業姿勢の頻度を図5-5、図5-6に、かけまわし漁法80トン型の時系列の変化を図5-7に、1秒毎(測定時間35秒)の要素動作と作業姿勢の頻度を図5-8、図5-9に示す。尚、かけまわし漁法80トン型は通常揚網の際、カーゴウインチを使用しており、ワーピングエンドを操作する作業は大量に水揚げがあったときの一回だけであったため、測定時間が少なかった。
揚網時に網繰りする作業のオッタートロール漁法125トン型の時系列の変化を図5-10に、1秒毎(測定時間20秒)の要素動作と作業姿勢の頻度を図5-11、図5-12に、かけまわし漁法125トン型の時系列の変化を図5-13に示す。
要素動作の分類として、1.「手を伸ばす」、2.「運ぶ」、3.「まわす」、4.「圧して回す」、5.「つかむ」、6.「合わせる」、7.「引っ張る(右手)」、8.「引っ張る(左手)」、9.「放つ」、10.「引き放つ」、11.「手待ち」、12.「その他」に分類した。作業姿勢を1.「立位」、2.「前傾(30°未満)」、3.「前傾(30〜60°)」、4.「前傾(60〜90°)」、5.「前屈」、6.「しゃがみ」として分類した。
5-1-1 ワーピングエンドの操作

図5-1 オッタートロール125トン型 ワーピングエンド操作
要素動作コード:
1.「手を伸ばす」2.「運ぶ」3.「まわす」4.「圧して回す」5.「つかむ」6.「合わせる」7.「引っ張る(右手)」8.「引っ張る(左手)」9.「放つ」10.「引き放つ」11.「手待ち」12.「その他」

図5-2 オッタートロール125トン型 ワーピングエンド操作

図5-3 オッタートロール125トン型 ワーピングエンド操作
オッタートロール漁法125トン型のワーピングエンドを操作する時系列の変化(図5-1)は、左右交互にワーピングエンドにワイヤーを巻きつけて(「まわす」)、ワイヤーを「つかみ」、送り、「放す」ことが明らかになった。作業の後、3秒から35秒の「手待ち」を行っておりこの間は、他の作業者がストロップを回しフックを掛ける作業をしている時間である。ワーピングエンドにワイヤーを巻き付けている時の所要時間は0.5〜1.5秒/サイクル、ワイヤーを引っ張る作業は「つかむ」→「放つ」を1サイクルとすると0.6〜1.8秒となっている。1秒毎の要素動作(図5-2)では、「手待ち」が40%〜60%を占めて、その他「まわす」、「つかむ」、「放つ」の要素が見られる。右側の作業者については、ワーピングエンドに巻かれているワイヤーをつかみ、そして「放つ」とき強く引き放つ、「引き放つ」動作が見られた。ワイヤーを自分の身体に絡みそうになり、より遠くまで送ろうとして引き放したと考えられる。作業姿勢の頻度(図5-3)をみると、「立位」、「前傾(30°未満)」がそれぞれ40%〜60%を占めていた。