運強省管轄で、GISのデータ化が進んでいるのは、海上保安庁の末路部の海図関連のデータで、港湾に関してもデータを持っている。また、ナホトカ号の事件から沿岸部のデータも積極的に整備し始めている。
また、気象庁の潮流、温度等もデータ化されており、GISのデータとして提供可能である。
水路部等が行っている電子データの作成は、国の施策に合ったものであるため、今後調査ユニットのデータを生かしていく上で、大変参考になると思われる。
(3) 五洋建設株式会社
訪問日時:平成10年 12月18日
担当部門:五洋建設株式会社 技術研究所
五洋建設(株)では、前出の8.2.1の調査に述べたとおり、以前からマルチナロービーム超音波測深機を用いた施工管理を行っているが、現在、関西国際空港第2期工事を行うにあたり、超音波測深機で得たデータも含めて、工事の進捗状況をGISを用いた手法で管理する「GISによる施工管理システム」を開発中である。
これは、設計データ、施工データ、測量データ等の様々な情報をGISという共通のデータとして、企業間も含めて利用する事により、施工効率を高めるとともに工期を短縮し、経費の節減等を実現しようというものである。
(五洋建設(株)の説明資料を添付資料8-4-1〜3に示す(説明資料より抜粋))
一般的に、GISとは、数々のデータのレイヤーを重ね合わせたものである。
ここでは、GISで活用されるデータとして以下の物があげられる。
・設計データ
・施工データ
・土運船、ガット船、警戒船等の作業船位置データ
・気象データ
・測量船による測量データ
・沈下データ 等
これらのデータを、レイヤー毎に管理し、組み合わせることによって必要とする情報を得ることができる。
このシステムでは、測位・リモートセンシング技術としてGPS、データ通信技術としてMCA通信、データ処理系としてGIS、データの共通化としてCALSを適用する。
中でもMCA通信は、外郭団体が管理している通信網で、携帯電話をタイムシェアリングしたような機能を持つが、人口密度の低い場所等では基地局が少ないという問題がある。