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しかしながら、1つのアンテナでカバーできる範囲が広く、グループ通信という手法を用いれば、データを送信する場合は、1方向通信であれば約1秒程度、双方向通信であれば約3秒程度で通信することが可能であり、RTK-GPSの補正情報サービスも行われている。

また、MCA通信は、あらかじめプログラムした番号に自動的に通信を行い、データを取得することが可能であるため、土運船や、ガット船等の数多くの船舶の位置等のデータを順次集めて、これをGISのレイヤー上に展開することが可能である。

このように、GISに取り込んだデータを活用して、ソナーを用いて測量を行い、投入後の状況も合わせて測定することによって投入予測を行い、これに基づいて投入指示を行うような、効率的な施工およびその管理が実現できる。

今回このような海上工事施工管理システムを構築するにあたっては、1企業だけでなく、企業間を超えたデータの共有を目指しており、関連機器を、自社から貸し出す形を取りながらも、関係企業間でのデータの共有化を進める計画である。

今回このようなGISを用いた海上工事施工管理システムを構築するにあたっては、市販ソフトでは機能的に不足する部分があるため、独自仕様のソフトウェアを用いる予定であるとのことであった。

今回のようなGISの活用例は、非常に興味深いものであり、海上工事を対象としているということもあり、調査ユニットに関するデータの活用という点で、通信方法や、データを基にどのようなレイヤーを構築すれば良いかなど、参考となる点が多かった。

また、GISを用いた例としては、神戸市が、関西大震災後に、被災状況を調査したデータを基に、新たにGISを用いた情報システムを構築している例もある。

その他に、東京大学生産技術研究所の柴崎教授が日本のGIS研究のオーソリティーであると教えて頂いたので、今後研究の方向性を定めた後に、教えを請うことにしたい。

 

 

 

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