本ソフトウェアは、ナビゲーション的な役割も果たしており、ディスプレイの1つは操船室に設置され、測深状態を見ながら操船することにより、漏れ落ちのない計測が可能となっている。
ソナーヘッドおよび旋回装置を船側に固定している取付台は、可動式で、ソナーヘッドを水中に出し入れでき、他船にも移設が可能であるが、測量船の航行スピードを考慮した結果300kgの重さとなっている。
今回見学させていただいた内容、特に自社開発のソフトウェアとソナーヘッド固定装置については、色々と参考になる点が多く、非常に興味深かった。
(2) 常陸那珂港概要
今回大規模港湾施設が造成される事となった常陸那珂は、戦前は陸軍飛行学校であり、戦後米軍の空軍の射爆撃場になっていたものが、昭和43年3月日本政府に返還され、跡地利用の計画が開始された。
港湾として開発されることとなり、重要港湾の指定を受けた後に、5万トン級以上のコンテナ船対応のコンテナターミナルも含めた大規模港湾として平成5年より工事が開始され、既に事業着手されている北関東道(常陸那珂-高崎)とあわせて、北関東の物流の中心となることを目指している。
常陸那珂港は、南、中央、北の3つの大きな埠頭からなり、合計40のバースを持つ大規模国際港として整備される予定である。
5万トン級対応のコンテナ埠頭と東京電力の火力発電所の建設が予定されている北埠頭は、平成11年6月に供用開始を目指しており、常陸那珂港全体が完成するのは平成22年になる予定である。
全体の予算は、総事業費が約7,00億円で、その内国の持ち出し分が4,010億円程度であり、その他に、発電所を建設する東京電力、電源開発等が費用を負担するとのことであった。また、ケーソンヤードも運輸省管轄のものと、茨城県管轄のものとがあり、それぞれ工事区画が違うとのことであった。
今回は、悪天候のため実際に測量船に乗船して港湾に出ることができなかったが、係留してある測量船において、GPSの計測状況、SEABATの計測データ等を見ることができ、非常によい機会を得ることができた。