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調査船をその場に停止させる(もしくは微速で前進させる)事は、船舶の運航上、また、動揺が大きくなり、データのクオリティが低下することからも得策ではない。

もうすぐ次世代機種であるDcs560が発売されるが、スピードの改善は数秒である。

以上の理由により、調査ユニットで用いるデジタルカメラに関しては、現状調査と開発項目の検討(コストも含めた開発の可否)およびスチルカメラの代用も視野に入れた運用方法の調査・検討が必要である。

 

(3) 可搬性の検討

調査ユニットは、非常時に被災地にいち早く搬入することが求められる。

現状、ユニットを構成する金具類については、実質的な検討を行っていないため、調査ユニットの構成機材としての運搬可能な固定金物と、処理装置(PC等)のユニット化についての検討を進めていく必要がある。

 

7.2.2 運用面も含めた開発項目

前段でも述べたように、今回まとめた調査ユニットの仕様に基づいて、実際にデータの計測を行い、その上で明らかになる様々な問題点を抽出し、検討を進める作業が必要であり、現在その基本調査(船上からの画像取得調査)を本年度末に実施する。

(調査方案および計画については、別添の資料に示す)

ここでは、実際の運用面を含めて、検討が必要と予想される項目について述べる。

 

(1) 調査ユニットの運用

調査ユニットの実用化を行うためには、その運用方法を明確にする必要がある。

調査ユニットの実用性の検証を進めるとともに、実際的な運用法、データの管理法についての提言をまとめ、積極的に働きかけていくことが必要になる。

 

(2) 処理作業のスピード

平常時はともかく、非常時においてはデータの出力するスピードが重要となる。

調査ユニットのデータ作成過程においても、作業者がデータを加工する場面が多く、データのアウトプットには多少の時間を要する。

そこで、ソフトウェアの使い勝手を改善し、熟練作業者でなくても扱えることを目指すとともに、内部処理にも、より多くの自動化処理の組み込みを行っていく必要がある。(今回の実海域調査における処理作業を基に検討を行う)

 

 

 

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