7.2 開発確認事項の選定
2.において調査ユニット構成機器と要求機能との対比について述べた。
ここでは、その対比を基に、運用面およびソフトウェアの機能も含めた形で、調査ユニットの実用化に必要となる開発項目を以下に述べる。
7.2.1 構成機器の開発項目
(1) 超音波測深機、動揺計測装置等の構成機器
先に検討をしてきたとおり、現在検討中の調査ユニットを構成する機器は、要求される精度を満たすべく、現状技術で対応可能な機器を選定している。
しかしながら、先に述べたとおり、検討結果としての精度は船舶の動揺等を加えていない値であるため、実際にデータを取得してみて評価を加える必要がある。
また、同時に、調査ユニットを構成する機器に関しては、現状で一番高精度かつ高価な機器を基本に検討しており、実用化に際して導入費用等のコストが大きな問題となってくる。そのため、実用上の精度を得つつ、トータルコストを引き下げていく方式についても、今後検討を加える必要がある。
(2) デジタルカメラの検討
調査ユニットにおいては、データを早急に取得する必要があることから、画像データを取り込む際にはデジタルカメラを使用する。
しかしながら、現在構成機器として取りあげている。PC側から制御が可能で、600万画素という高解像度のKodak Dcs460を使用するにあたり、データの書き込み速度に問題があることが明らかになった。
このデジタルカメラは、シャッターを切ってメモリに取り込んだ画像を、一度ハードディスクに書き込んだ後にPC側にデータ転送する方式となっており、メモリからカメラのハードディスクにデータを書き込むために要する時間が13秒、SCSIを介してPC側にデータを転送するのに5秒、合わせて18秒〜20秒程度の時間を要する。この間、次のシャッターは切ることができず、調査船はその場に停止せざるを得ない。