・ミスマッチングデータによる誤差増大の防止
現在採用を検討している写真計測ソフトウェア「計測名人」は、「ミスマッチング」(「右の写真で見えているのに左の写真では見えない」部分が多くなる事によってデータを重ね合わせる際にデータの座標が特定できず、座標値が飛び出してしまう現象)が発生し、周囲のデータまでも歪めてしまうことがある。
これは、システム全体にメッシュを切って作業してしまうためであり、今後この部分の処理方法に改良を加え、ゆがみが少ない部分(例えば岸壁部分)だけを影響の無いように取り出すような形に変更する。
・データの補間
通常測量に用いられるようなレーザー測距器を用いて、対象物までの距離をいくつかの点で計測し、これを補正用のデータとして「計測名人」に代入する事を考える。
しかしながら、この方式はレーザー距離計の精度等の絡みがあるため、船上からのレーザーを用いた計測の実際について、実験等も含めた上で今後検討が必要である。
5.2.5 水中部画像視認装置
ここで言う水中部の視認装置の役割として、超音波音響測深機等から得られるデータを処理した水中部の画像や、サイドスキャンソナーからの画像ではなく、実際に潜ったかのように水中部の状態を視認するという目的がある。
調査ユニットは、構成機器として小型のROVを持ち、この小型ROVは基本的には水中カメラとして使用する。
これは、被害状況を計測するとともに、その状況を目視で確認したいという強い要望があることと、平常時にも活用できる水中構造物検査装置等のセンサを付けた小型のROVが必要なためである。
水中部のイメージを得る手法としては、水中カメラ、水中レーザーカメラ、音響ホログラフィー等があるが、データを加工したイメージではなく、カメラ画像としてみることが可能なものは、従来からの水中カメラと、水中レーザーテレビだけである。
水中カメラで使用するカメラにもCCDカメラ、SIT管カメラ、HARP管カメラ等があり、最近ではSuper HARP管テレビ等も使用されているが、本調査ユニットでは特殊な用途に使うものではないので、通常のカメラを用いる。
5.2.6 データ記憶、処理装置
調査ユニットにおいては、デジタルカメラからの画像データや、三次元の座標データを取り扱うため、それぞれのデータ量が大きく、ハンドリングが難しい事が予想される。