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5.2.3 構造物水中部、海底地盤計測装置

水中部は、ナローマルチビーム音響測深機によって計測を行う。

浅海域を対象とするナローマルチビーム音響測深機の代表的な製品として、 日本に多くの納入実績を持つRESON社の「SEABAT 9001S」、最新機種の「SEABAT 8101」、同じく最新機種のSIMRAD社の「EM3000」があり、その仕様の比較表を以下に示す。

 

<ナローマルチビーム超音波測深機 対比表>

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SEABAT 9001Sは周波数が高く、より浅海域用であるが、最新機種と比較するとレンジ分解能等で劣ってしまう。

最新機種はどちらの製品も基本性能としては遜色無く、世界的に見てもこの種の超音波測深機としてはトップレベルの製品である。調査ユニットで計測を行う場合、より広いエリアのデータを取得しようと思えばSEABAT 8101に優位性がある。

 

5.2.4 陸上構造物三次元計測装置

陸上部の形状を計測する手法としては、一般的な測量の手法が考えられ、トータルステーション等のレーザ利用の光波距離計などが多く用いられるが、船上からの測定となると、レベルを出した陸上の固定点からの計測とは異なり、陸上部の計測技術を直接応用することは難しい。

また、レーザースキャナーの利用も考えられるが、これはレーザがあたった部分のデータしか取れず、エッジ等構築物の輪郭が曖昧になるため採用せず、調査ユニットでは、瞬間的な画像を用いて、撮影されて範囲全ての計測が可能な写真計測を用いる。

調査ユニットに求められるデータ出力の早さに対応し、システムとして制御が可能なデジタルカメラを用いるが、デジタルカメラの画素数の多さがそのまま計測精度の良さにつながるため、現在最高レベルの600万画素の解像度を持ち、PCからの制御が可能なKodak-DCS460を使用する。

デジタルカメラを既知の距離に設置し、計測に使用する画像を取得するわけであるが、「4.1.4.1の写真計測ソフトウェア」の章で述べたとおり、写真計測は取得した画像の“写り方”に依存する部分が多く、被写体にミスマッチングが多い場合には、誤差が増大する傾向がある。

今後、本計測装置および画像処理ソフトウェアについては、以下のような改良を加えることが望ましい。

 

 

 

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