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これらのRTK-GPSシステムを、Ashtech社の製品を例にとって、その要目の概略についてを比較した表を以下に示す。

 

[RTK-GPSシステム概略比較表]

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註) 本表は、あくまでAshtech社の受信機を対象にまとめたもので、他社メーカーの製品に関しては異なる。

基線長、衛星数、その他の観測条件によって精度は変化するため、上記数値はあくまで目安である。

 

精度を比較してみると、1周波GPS+GLONASSの構成のRTKシステムと、2周波GPS受信機を用いたRTKシステムの精度が高いことが分かる。

ここで、表中の収束速度および最大基線長を見ると、2周波GPSシステムの方が収束速度が早く、最大基線長も長いことが分かる。また、必要最低衛星数も、GPS/GLONASSシステムの方がより多くの衛星を必要としており、GLONASS衛星の配置がまだ整っていない状況では、捕捉する衛星の状況に計測の安定性・精度が大きく影響されることが予想される。

よって現状では、コスト的にはは高いが、精度が高く安定している2周波のGPS受信機を用いたRTK-GPSによって調査ユニットのシステムの構築するものとする。

しかしながら、GPS/GLONASSシステムの方も、現状では衛星が足りなかったり、安定性がなかったりと問題があるが、(ケーソン据付工事にて実験した例があり、捕捉衛星数が足りず、精度がFixするために時間がかかった)今後衛星数がそろって行き、安定性が増すことが考えられるため、コストも安いことから、今後の採用も視野に入れて情報を収集する。

また、ここで運用時に問題となるのがRTKの地上局の有無である。

現在共用で使用できるRTK-GPSの基地局は、「海上D-GPS推進協議会」が所有している新潟、川崎、大阪、神戸、桑名(伊勢湾)、門司の6ヶ所(他に補助用として中山水道、博多)があり、各基地局から半径約15kmの範囲でRTK-GPSの測位が可能となっている。

(「資料5-1:海上測位システムと機器構成とそのサービス内容」および「資料5-2:サービスエリアの詳細」を参照[海上D-GPS推進協議会パンフレットより抜粋])

大規模港湾のほとんどがカバーされているが、本調査ユニットの性格上、全国各地での災害に対応可能なように自身で基地局(地上局)も、あらかじめ用意しておく必要がある。

 

 

 

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