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システム全体のデータの処理の流れは、市販の水路測量データ収録解析ソフト「ハイパック」をベースとし、これに気中部の画像データ処理を加えるような形で構築する。

デジタルカメラの画像は、GPSを基にした処理によってカメラの位置を求め、そのカメラの座標をベースとして、画像計測ソフト「計測名人」を用いて、3次元計測データとして処理される。

超音波測深機から計測された測深データは、計測された生データからエラーデータ等の削除を行った後に、ハイパックを用いてTINモデル(不規則三角モデル:Triangulated Irregular Network models)によって立体モデルが構築される。

これらの水中、気中の双方の3次元データを、座標ベースで重ね合わせ、水面部分のデータを補間し(超音波測深機では、海面下2m程度の位置のデータが、海面波の反射により正確に測定できない)連続する岸壁の3次元データを構築することが出来る。

 

5.1.5 データ管理

上記のように、調査ユニットを用いて岸壁の3次元計測データを構築していく過程で、様々な作業ファイル・一時ファイルが生成され、システムのデータ作業領域を圧迫していくことが予想される。

そこで、1つの岸壁を1つのデータセットとして管理するとともに、最終的に作成された岸壁の三次元計測データおよび、そのテクスチャマッピングを行うために必要な画像データのみをシステムのデータベースに保存する。

調査ユニットが計測した生データおよび画像データは、圧縮後、外部記憶媒体に保存するが、それ以外の作業ファイルは全てシステムから削除する。

この動作は、1データセットを保存する毎に、半自動で行うものとする。

データベースに保存されたデータは、地図データとリンクして記録し、いつでも画面上の地図で対象岸壁(施設)を指定するだけで、3次元の計測データにアクセスすることを可能とする。

 

5.2 構成機器の機能設計

調査ユニットの上記機能を実現するために、構成機器に必要となる要目について検討・具体化し、その機能仕様についてまとめる。

 

5.2.1 自船位置計測装置

位置情報はGPS(Global Positioning System )を用いて取得することができる。

調査ユニットで扱う計測データは、GPSを用いて計測される位置データを基に構成されるため、搭載した船舶の位置を精度よく計測することが重要となる。

現在、より高精度なGPSとして、D-GPS(Differential Global Positioning System)や、RTK-GPS(Real Time Kinematic-GPS)等のシステムがあるが、RTK-GPSの方がより高い測量レベルの精度を持っており、このRTK-GPSの中にも、1周波利用のもの、2周波利用のも、GLONASS衛星を利用したもの等の種類がある。

 

 

 

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