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4.1.6 データ記憶、処理、表示装置

調査ユニットにおいては、計測器から得た様々なデータを、活用しやすい形のデータとして処理・記録する必要がある。

また、調査ユニットを用いて計測したデータを基に、平常時の維持・管理情報を取り扱えるデータベースを構築することも、調査ユニットの活用を促進するためには必要な条件となる。

先に述べたデータベースは、基本的に測量データを基礎として構築されるが、その仕様を決めるにあたっては、調査ユニットで取得するデータの使用とデータ容量、および平常時の維持・管理情報としてどの様なデータをリンクさせるかについて、今後改めて検討を進める必要がある。

よって、ここでは、採用が考えられるシステムについて、概略の調査を行った。

 

4.1.6.1 データ管理(データベース)ソフトウェア

調査ユニットを用いて計測したデータの有功活用の方法として、計測した港湾施設および前面海底地盤の情報を基にGIS(Geographic Information System:地理情報システム)を構築し、データベースとして活用することが考えられる。

これは、平常時に調査ユニットを用いて計測した三次元計測データを基に、施設図(地図)を作成し、日常の検査・メンテナンスに関する情報(検査・メンテナンス来歴、施設の画像データ等)を、地図上の施設にリンクする形で記録していく方法である。

GISと一言で言っても、その機能は多機能であり、基本的には、地図データに様々な関連情報をリンクして管理するのが一般的な活用法で、ストアーされたデータに対して表・グラフの作成等の様々な加工を行い、表示することができ、地図データのメンテナンスも容易に可能である。

そこで、多くのGISを手がけた実績のある(株)パスコを訪問し、一般的なGISの活用について調査を行った。

先にも述べたように、GISソフトには様々な製品、機能がある。中でも米ESRI社のARC/INFOはWS版のGISとしては世界最大のシェアを持ち、断面図の作成や鳥瞰図の作成等が可能な三次元解析をはじめとする多様な解析機能を持つ。PCベースのソフトとしては、ARC/INFOの廉価版のARC VIEWや、その他のソフトが多数あり、そのほとんどが、機能モジュールを追加することによって様々な解析を行うことが可能である。

以下に、ARC/INFOの機能を簡単に紹介する。(カタログより一部抜粋)

・1) ARC/INFOにおける情報の処理方法

ARC/INFOでは、図形情報とその属性情報をそれぞれ関連づけて管理(レイヤーごとに管理)しており、各図形は幾何学的なトポロジ構造で、地図を表現する。

トポロジは、図形同士の空間的な位置関係を定義するための幾何学的な手続きであり、ベクトルの図形を表現するXとY座標の他に、接続関係・面認識・隣接関係を定義するトポロジを持つことにより、高度な空間解析や高速な検索を可能としている。

 

 

 

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