※1) 上記の測位条件:米国国防省より規定されている2dRMSにより、精度は表されています。これらの評価は、カリフォルニア及びモスクワにおいて実施されました。条件は、10度の仰角マスク、中程度以上のマルチパス環境下においての計測です。従って、異なる環境においては測位結果も変化します。ディファレンシャル測位の計測結果についてはGG24基準局システムより補正データを供給して計測した値です。ディファレンシャル補正データの転送速度は300bps、衛星状況は、HDOPが4以下です。
GPSを構成する機器としては、以下のような機器があげられる。
・GPS受信機 (基地局、移動局)
・アンテナ(2周波) (基地局、移動局)
・基地局と移動局間のデータ送信用無線装置
4.1.2 動揺計測(補正)装置
船舶から計測して取得したデータは、船舶の複雑な運動(ロール、ピッチ等)のため、それ自体ではデータとしての信頼性が低いため、取得したデータの精度、信頼性をあげるためには船舶の動揺を計測し、その値を用いて取得データを補正する必要がある。
そこで、船舶の動きを計測する動揺計測装置が必要となる。
動揺補正装置のメーカーおよびジャイロメーカー等について、調査ユニットに必要不可欠な動揺補正装置について、現状技術の調査を行った。
4.1.2.1 INS 慣性航法装置を用いた動揺計測
現在、動揺を計測する場合には、ジャイロセンサーかもしくは複数個のGPSアンテナの計測データを用いる方法がある。
ただし、船舶の動揺を計測する場合、ロール、ピッチ、ヒーブを計測するためには3軸の計測系が必要となるとともに、傾斜計、加速度計などを用いて船舶の運動を計測しなければならない。
これらのジャイロと、加速度計、傾斜計などを組み合わせた物に、ジャイロコンパスやマグネティックコンパスなどの機器を用いて、船舶のヘッディング情報、速度情報などを取り込んだものが、INS(Inertial Navigation System:慣性航法装置)である。
これによって、船舶の旋回および波によって発生する遠心力等をキャンセルでき、より正確な計測データを得ることが可能となる。