RTKを使用するために必要な電子基準点も、国土地理院によって現在950点程度設置されており、業務無線であるMCA無線を用いた電子基準点データ提供サービスが、平成11年秋の実用化を目指して、現在試験段階であるなど、運用の幅も広がっている。
また、アメリカ主導のGPSに対して、ロシア版のGPSとも言えるGLONASSシステムが本格的な運用の準備を進めており、平成10年9月および平成11年の3月に全24個の衛星の配備が完了する予定である。
このGLONASSシステムは、GPSのような精度劣化の政策(S/A信号)がなく、GPS・GLONASSを併用することにより、安定した衛星数の確保が可能となり、移動に対する追従性が上がるとともに、狭天区域等の悪条件下でも安定した精度を得られるという利点がある。
ここで、Ashtech社のGPS・GLONASS受信機「CG24TMSensor」の特徴および測位制度を以下に簡単に紹介する。(カタログより抜粋)
[特徴]
1] 48個の衛星による測位エリアの拡大
GPS、GLONASSそれぞれ24個ずつ、合計48個の衛星を用いることが可能であるため、従来測位が難しかった都市部、山間部など上空が障害物によって遮断されるような状況でも測位が可能。
2] 高精度
GPS+GLONASSを用いることにより、精度劣化の政策(S/A信号)の影響を受けるGPSの単独測位に比べて、精度の良い単独測位(7mCEP:代表値)が可能。
また、ディファレンシャルモード時もGPS単体での測位に比較して、安定、高精度な測位が可能。
3] センチメートル単位精度のRTK測位が可能
従来2周波GPSしかできなかったcm単位のRTK測位が、GPS-L1+GLONASS-L1を用いることにより2周波と同等レベルの測位精度を実現可能。
4] 高い速度精度
GLONASSの特徴として、速度性能はGPSに対して非常に高く、約30倍の精度を持つ。また、ディファレンシャルモード時は、単独に比べて約3倍の精度が可能。
また、単位精度の比較表と、単位精度の表を以下に示す。