しかしながら、特に小型船舶などの動揺を正確に計測する場合には、これらの計測機器の追従性が問題となる。
ジャイロコンパスではデータ更新レートが1Hz程度であるため、データ追従性に劣る。
マグネティックコンパスを用いる場合、データ更新レートは20Hz以上も可能であるが、近くに大きな作業船等の鉄の塊があった場合、磁気の影響を受けてデータに誤差が生じてしまう。
また、INSを用いて計測を行った場合、時間がたつにつれて船舶のドリフト量が誤差として累積してしまう傾向にある。
そこで、GPSを用いることが考えられる。
GPSのデータ更新レートは20Hz程度であり、GPSを用いてヘッディングを計測し、位置も同時に計測することにより、長期的に累積する船舶のドリフト補正を行うことが可能である。
GPSとINSを融合することにより、GPSデータが安定しない場合においても、高精度な位置データを得ることが可能で、時間とともに誤差が累積することも防止でき、高波浪中でも、安定した動揺データの計測が可能となる。
以下に、マルチビーム式超音波測深機を使用するときによく用いられる、TSS社の代表的な製品の簡単な比較表を示す。