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ている。集体企業の養老保険加入率は大幅に減少しており、96年比で加入者数は、企業ベースでは20.2%減少し5500社、職員労働者べースでも26%減少し38万人となっている。農村部の養老保険は、97年現在20万人が加入している(注40)

B) 失業保険制度

97年末現在、失業保険に加入した企業は25885社、職員・労働者は292.8万人であった。保険金支出については、同年、総額は不明ながら3.1万人の職員労働者に失業救済金が給付されている(注42)

C) 医療保険制度

同省の医療保険加入者は微増傾向にあり、97年現在、医療保険を実施している市県は、前年同様の37地域で、加入した職員・労働者は4.4%増加し47万人であった。保険金支出については、同年1.1万人の職員労働者に2000万元が給付されている(注41)

D) 最低生活保障制度

97年に同省では、都市と農村の貧困救済対策が強化されている。農村の貧困問題では、「富民」「科学技術教育」「移民」を3大プロジェクトとして、啓蒙的な貧困援助事業を展開しており、97年には貧困援助資金2.4億元を投入した。また、都市部の最低生活保障制度については、1996年9月の「都市住民の最低生活保障制度を設立するための吉林会議」以後、吉林市での実験が拡大適用され、現在9の州・市・県で最低生活保障制度が開始されている。各都市では、民政局を中心に財政局・統計局・労働局などの政府機関の他、工会・社会保険公司など関係主管部門により、最低生活保障制度工作グループが設立され、実行目標の設定と管理が行われている(注43)

 

3) 黒龍江省の状況

A) 養老保険制度

都市部での養老保険制度は、1986年より改革が開始され、95年からは国務院の指示により社会的統一調達と個人勘定を組み合わせ、加入範囲も国有企業から個人労働者まで拡大している。97年現在、保険加入企業数は3.67万社、職員労働者は約390万人、保険基金納入額(累積額)は163億元であった。

農村部の養老保険制度は、94年省政府が「農村社会養老保険規定」を公布して以降、法制化とモデル化が開始され、現在は民政部門が養老基金を管理し、全省で40あまりの管理機構が整備されている。近年農村部での養老保険は急速に拡大しており、97年現在保険加入者は340万人、基金総額は2億元あまりとなっている。(注44)

B) 失業保険制度

1996年末、失業保険加入企業数は2.6万社、職員去働者は441.4万人であった。職員労働者ベースでの内訳は、国有企業84.7%、集体

 

 

 

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