同省では「企業合併・破産と職責労働者の再就職活動計画」に基づき、改革が実施されている。97年の基本方針は、1)法律に従った企業破産の実施、2)企業合併の奨励、3)銀行利子と従業員の削減の3つであり、同年9月現在での実施内容は次の通りである。この計画に組み込まれた193社の内、140社(全体の72%)で実施完了、41社(同21%)で現在実施中であり、全体の72.5%の企業で、総額17.9億元に及ぶ貸倒れ引当準備金の申請手続きが銀行に行われた。申請企業数を計画別にみると、「企業破産計画」は35社中16社、「企業合併計画」は71社中48社、「従業員削減と効率向上計画(減員増効計画)」は87社中76社となっている。以上の成果として、指定都市に立地する大中型国有企業では、資産負債率を96年の67%から97年には62.8%まで低下させることに成功した。この他労働関係では、先に指定された藩陽市・大連市・鞍山市・撫順市・本渓市の5市で再就職サービスセンターが開設され、国有企業でリストラされた労働者の内、約20万人の再就職が実現している(注19)。
2) 吉林省の状況
吉林省では、96年までに指定された長春市・吉林市に加え、97年には四平市・通化市が追加指定され合計で4都市となった。モデル都市では、増資減債・リストラを実施しているが、残念ながらその詳細については長春市以外不明である。97年6月現在、長春市では、工業企業34社が合併され、12社が破産し、職員労働者1.3万人、固定資産(原価)2.2億元、負債総額88.7億元が処理されている(注20)。
3) 黒龍江省の状況
黒龍江省では、94年に指定されたハルビン市・チチハル市に加え、97年にはチャムス市・鶏西市・伊春市・牡丹江市が追加指定され合計で6都市となった。モデル都市では、債務の軽減・余剰人員の分離・生活困窮者の救済などを実施しており、94年〜96年末までに、主要成果として、国有企業の資本増加が19.4億元、同債務負担の減少が9.1億元、同資本負債率が4%減少した。具体的には、352社の優良企業に457社を合併させ、6.9億元の国有資産を再活性化させた。また112社を破産させ、10.6億元の国有資産を活性化させた。そして5.9万人の労働者を再就職させている。
97年初、中央でこの政策の拡大が決定され、黒龍江省では上記4都市が新たに追加指定されたことにより、同省の80%の国有企業が、政府の何らかの優遇政策の対象となった。また、97年に開催された「再就職会議」で、中央政府は300億元の資金を、全国111都市に投入し、再就職を促進することが決定されたが、同省では上記6都市がその対象となり、中央政府の指示に基づいて「企業合併と破産および再就職に関する事業計画(企業兼合併、破産和職工再就業工作計画)」を策定し国務院の批准を受けている。これにより6都市合計で16.97億元(総額の5.65%)の資金が投入されたが、この割