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から40才代です。私より若い人たちもたくさんいます。市長でも、40代の市長が遼寧省でもざらですね。ですから、かなり若い人たちに入れかえをしながら現状に対応しようとしていると思います。そういう人たちが、労働問題や社会保障問題についてはかなり即断で、新しい制度を整備しているというのが私のイメージです。よろしいでしょうか。

F  ありがとうございました。

G  先ほどの質問との関連で、破産した工場、例えばその建物と設備をそのままほっておくにはいかないわけですけれども、吉田さんが知っている限り、例えば破産した工場の建物と設備を、地方政府がどういうような形で管理して、あるいは処分していくかを、もし御存じでしたら教えていただきたいのですが。

吉田  そのGさんの質問については、是非私も知りたいところですね。ただ、私、現地の総領事館のスタッフだったということもあるのかもしれませんが、ほとんど国有企業に対するヒアリングができない状態でした。現地の機関に対してヒアリングをするときには、省政府、市政府の外事弁公室にお伺いを立てなければいけないのですね。まず、そこで却下されてしまう。でも、相手がいいよと言っている場合はいけるときもあります。ただし、相手が来てもいいよというような企業は、大体条件のいい企業なのです。(笑)ですから、もうほんとうに破産して機械があるのかないのか、もしくは破産寸前だというところはほとんど見られません。

ただ3年前に撮られたNHKのドキュメンタリーが非常によく撮れていたというのは、その過程を撮っていたのですね。瀋陽の中小企業だったのですが、破産をしたいと市政府に最後に泣きつきに行くときに、その工場の状態がどうなっていたのかというと、機械は一切ありませんでした。暖房用の石炭すらどんどん小口の債権者に持っていかれてしまった。ぼろぼろの建物しか残ってない。そんな状態でも、市政府は破産は認めない。でも、機械も何もなくて、暖房用の石炭すらないのに、私たちはここで何をやったらいいのか。その葛藤の日々をNHKは撮っていたのですね。よく撮れていたがためにそれが日本で評判になりまして、さらに瀋陽でも評判になりました。東北3省はああいうところばかりじゃないのだよということで、しばらくの間は、NHKの方はお断りと。(笑)さらに、NHKじゃなくて日本人も、そういうところを見たいというとお断りと。ここじゃなくて、こっちにもっといいところがあるから、こっちを見に行ってというような状況でした。ですから、申しわけありませんが、私自身は見たことはありません。

 

 

 

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