徐々に拡大していると思うのです。国有企業がどれだけ、日本でつくられている部品が製造できるかという展示会ですので、技術改造も徐々に進んでいると聞いています。また、今、おっしゃった国有企業の技術改造が非常に難しいという状況は、中国側の問題と日本側の問題と両方あると思うのですが、もう少し具体的に教えていただけませんでしょうか。
吉田 これも非常に難しい問題です。私自身、わからないところがたくさんあります。ただ、私のイメージを申し上げますと、まず中国側での問題は、技術改造をする予定の国有企業そのものが、今後、どう改造されていくかわからない。いつ取りつぶされたり、ほかの企業と合併していくか、幹部がいつ取りかえられるかわからないのです。
実は、今、申し上げた改革以外に、国有企業の幹部職員の試験による入れかえが行われています。昨年1年間だけで、東北3省で4,000人以上の国有企業の幹部が入れかえられました。計画体制の中で、国有企業の幹部をやっていた人たちは使いものにならないということで、試験で新しく登用された幹部がどんどん入っています。
ですから、国有企業そのものが、今後、どうなっていくのかわからないし、それを導入しようとしていた担当者が、どう変わっていくかわからない。交渉相手がどうなっていくかわからないという点が、日本側の悩みだと思うのです。
ただ技術改造については、問題は日本側にもあると思います。技術改造をするためには、何らかの持ち出しが日本側から発生するわけです。合弁したり、技術改造契約を結んだり、何かを持ち込むわけです。中国に新たに合弁企業を出したり、もしくは中国の企業と新たに合弁契約をしたりする体力が、今の日本企業に残っているのかどうか。これが非常に問題です。日系企業の投資はどんどん冷え込んでいます。ですから、技術改造については、問題は日中半々です。相手側の問題と日本側の問題と両方あると思います。
次に、JETROの部品材料展ですが、これは非常に現地でも評判のいいものです。部品材料展というのは普通の見本市ではなくて、現地に進出した日系企業が、こんな部品が欲しいという部品を見本市で展示します。それを、集まった人たちが、例えば中国のA社なりB社なりがそれを見て、「これはうちでつくれるよ」と申し出る。「つくるときには幾らだよ」と交渉をしていくわけです。要するに、欲しいものをまず展示して、それをつくれるところを現地の企業から探す。結果として、現地の日系企業の部品の調