日本財団 図書館


ニークですね。それ以外に、活動内容も非常にユニークです。活動ですが、大きく分けると生活費の支給、それから優遇政策の実施、自立の支援、社会的互助システムの確立の4つを行っています。生活費の支給については基金がありまして、その基金から1人当たり120元支給しています。これは瀋陽市の例です。

優遇政策については、「特困証」といいまして特別貧困証明書といいましょうか、そういう証明書を出しています。この証明書がありますと、家賃や公共料金、そして税金の減免、それから国有商店での穀物の割り引き、それ以外にも多くの優遇措置が受けられるようになっています。

自立支援としては、自立や創業を促進するために、新たに屋台などを興す方たちに対して、まず所得税を免除する、それから工商管理税を免除する、都市管理税を免除するなどの減免措置を行なっております。

そして最後に社会互助システム、これが非常にユニークです。これは瀋陽市が始めた制度だと言っておりました。この社会互助システムですが、ボランティアの「聯系特困制度」を行なっています。これは、特別貧困者との連携制度と申し上げたらいいのではないかと思います。具体的には市政府、それから区政府の幹部と特別貧困者を1人ずつマッチングしまして、2年の間、その市政府、区政府の幹部がその特別貧困者に対して就職の斡旋、それから生活相談をするという制度です。これはボランティアで行われています。ただ、半強制だと思います。なぜならば、現在、瀋陽市だけで「聯系特困制度」が1万4,000組存在します。市と区と県の幹部職員だけで1万4,000組存在するわけですから、ほとんどの幹部が動員されていると言ってもいいでしょう。この1万4,000組は、実は瀋陽市が対象としている97年の全貧困者の50%ぐらいに達します。中国のように人的な関係が非常に大きなウエートを持つ社会の中で、市の幹部が直接仕事を紹介する、直接、彼らが生活の面倒を見るというのは、非常に有効な手段だと思います。実際、当人たちも非常に有効な手段だと言っていました。

実は、このレジュメには書いてありませんが、もう1つ、ユニークな制度があります。この「職員労働者の困難解決事務室」の資金源なのですが、市政府からの収入以外に、実は募金を募っているのです。その募金の主な出どころが、市政府、それから市政府以下の行政単位の職員から行われる強制募金です。担当者が言うには、「公僕たる者、社会の弱者の状況に対して、絶えず関心を持たなければいけない」ということで、その関

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION