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(5)漁船用エネルギー環境対応機関(水産庁)

水産庁では、沿岸漁業改善資金として対象の漁船や機器用具を新規購入する経営者に対して低利の貸し出しを行っている。経営等改善資金の対象項目として漁船用エネルギー環境対応機関が定められており、適応機関を搭載した漁船を購入する際主機関1台につき600万円まで7年以内の償還期間(無利子)で貸し付けられる。水産庁の担当官への聞き取りによれば、将来的にはNOx排出率についても追加の方向にはあるが、今回のIMO規制の発効期限である2000年1月1日に向けて適用条件の見直し作業は行わない予定とのことだった。

(6)その他

ア.荷役車輌などに対する規制対応オフロードディーゼル機関の導入

コンテナ専用ふ頭では、陸上のバックヤードにおいて荷役車輌(ストラドルキャリア、トランスファクレーン等)を用いており、これらには大型軽油ディーゼルエンジンが用いられている。これらの平均的なNOx排出量は、カリフォルニア州のオフロード排出係数などよりおよそ11g/kWhと推定される。国内では三菱重工と東洋運搬機(TCM)がストラドルキャリアを、三井造船がトランスファクレーンを製造販売している。ストラドルキャリアには、4サイクルディーゼル汎用機関で6,000〜16,000cc程度のものが一基、トランスファクレーンには同等の機関が1基または2基搭載されている。現在、三菱重工は三菱自動車工業製、東洋運搬機はいすゞ自動車製、三井造船はキャタピラー社と日産ディーゼル製の汎用機関を用いている。

国内では、建設省が「建設機関に関する技術指針」(1991年10月)を定めて、1992年1月から排出ガス対策型建設機械指定制度をスタートさせている。これは、次項で述べるEUなどのオフロード機関の規制に沿ったものであり、建設省の直轄工事では表4.1-6に示す数値をクリアした機関を搭載した建設機関のみが用いられるようになっている。そのため、汎用機関全種に同様の対策を施したメーカーもあって、1995年秋頃からは、指定制度に合致したディーゼル機関を搭載したストラドルキャリアが出荷されている。

 

 

 

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