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赤外線分析計は、この原理に基づいて測定成分による吸収による圧力変化を利用することによってその成分の濃度変化を連続的に測定するものである。次図のように光源から放出される赤外線は回転するチョッパーにより断続光となって測定対象排ガスが通過する「試料セル」およびN2ガスなど赤外線吸収の無いガスがあらかじめ封入された「基準セル」の各測定セルを通過したのち、検出セルに入る。検出セルには測定対象ガス成分が封入されており、チョッパーの間隙光によって内部では圧力振動が生じている。検出セルには薄膜が中心に設けられており、その膜の振動量を電極間容量の変化によって電気出力として検出する。

この部分の原理はコンデンサーマイクと全く同一のものである。したがって、セル自身の微振動を拾うと正確な信号を取り出すことが困難となる。

試料セルを通過する赤外線が対象ガスによって吸収されると検出セルに入射する赤外線光量が減少する。したがって、検出セル内右側の圧力の変化のみが減少し、膜の振動量が減少し、対象成分の濃度変化のみを知ることができる。連続運転による検出セル内の温度上昇は検出セルが薄膜により接合されていることにより補償されている。

図中のグラフに示すように、試料ガス中に吸収波長域が測定成分の波長域と一部重なるような成分が含まれるような場合には、干渉フィルターセルにあらかじめ干渉成分を封入したり、回転セクタ後ろにソリッドフィルタを設ることによって重なり合う波長域の赤外線をあらかじめ取り除くなど、その影響を受けないような工夫がなされている。

 

 

 

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